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第651回〜第660回

5回目のコロナワクチン接種

 新型コロナウイルスの感染者が減少傾向になる一方で、インフルエンザの感染者が急増している。インフルエンザのワクチン接種に関しては、11月中旬頃に接種予定。そして、10月29日に新型コロナワクチン接種を実施した。モデルナ社のXBB1.5対応ワクチン。EG5系統にも一定の効果があるとされる。
 春は65歳以上の高齢者や基礎疾患を有する人が対象。秋は生後6ヶ月以上の全ての年代が対象ということで、集団接種会場の宇治武田病院には、幅広い年代の接種希望者が訪れていた。
 接種をして、副反応がどうなるか、ここがやっぱり気になるところだが、今回の経過を述べていくことにする。4回目の時はキツかったもんなぁ。

  • 接種当日
    • 11:00 ワクチン接種
    • 14:00 体温37.3℃(全然実感なし)
    • 16:00 体温36.5℃(あれっ?)
    • 19:00 体温36.7℃
    • 22:00 体温36.9℃(頭痛、副反応か?)
    • 22:15 入浴
    • 23:00 体温36.9℃(頭痛、倦怠感)
  • 接種翌日
    • 01:40 体温37.1℃(悪寒、倦怠感で眠れない)
    • 01:45 解熱鎮痛剤服用
    • 08:00 起床、体温36.9℃
    • 10:00 体温36.7℃
    • 12:00 下半身の関節痛、筋肉痛
    • 16:00 解熱鎮痛剤服用

 5回目のワクチン接種が終わった。去年の4回目とは違って、37.5℃以上の発熱はなかった。しかし、深夜に目を覚ますことは変わらず、悪寒と倦怠感で目覚め、時計を見るとAM1:30になっていた。
 去年の深夜は、悪寒、関節痛、筋肉痛が酷かったこともあり、今回は、事前にカロリーメイトのようなスティック菓子を事前に用意し、深夜に目覚めた時に、スティック菓子を食べてから解熱鎮痛剤を服用した。それが功を奏したのか、その後は眠ることができ、8時に目覚めた。副反応が出る前提で、有休を取っている。
 朝は冷えるようになってきたので、午前にポケモンGOをしながらゆっくり歩いて、体を温めた。小走りになると、接種部位に響くので、ゆっくり歩く。午後は下半身の関節痛や筋肉痛が出たので、もう一度解熱鎮痛剤を服用し、これでもう大丈夫だろうと。
 去年の副反応がすごかっただけに、今年の副反応はマシなほう。少しは副反応が抑えられるよう、ワクチンを製作したのかな。そう思いたいけど、副反応は人それぞれなんでね。
 BA1対応、BA4・BA5対応ワクチンは、発症予防効果は約70%ほどというデータがあるが、今回のXBB対応ワクチンの発症予防効果はどんなもんかな。どんなワクチンでもブレークスルー感染はあるが、少しでも発症予防ができる期間があればと思う。限定的ではあるが。
 無料で接種ができるのは今回が最後になる予定のようだが、今後の感染状況はどうなるかな。インフルエンザのワクチン接種のように定期接種化も視野にしているようだが。インフルエンザのワクチン接種も近年は毎年接種しているし、普通に接種料金を支払っている。コロナワクチンも有料になっても支払うつもりではいるが、やっぱり接種したくはないわなぁ。来月はインフルワクチンを接種予定。

見応え満載!日本シリーズを振り返る

 今シーズンの日本シリーズは、第7戦までもつれ込み、第7戦は阪神がオリックスを7対1で下し、38年ぶり2度目の日本一に輝いた。
 いやぁ、ホンマに長かった。本音は俺が現地観戦した第6戦で日本一の瞬間を見たかったが、それはさておき、本当におめでとう!1985年の日本一から一転して「暗黒時代」に入り、1986年から2002年までの17年間は最下位10回、Aクラスは僅か2回。2003年と2005年はリーグ優勝も、日本一に届かなかった。
 そして今年、18年ぶりのリーグ優勝、CS突破、そして日本一。こんな素晴らしいシーズンを待っていた。今年の日本シリーズは見応え満載のシリーズになり、どっちが日本一に輝くか、本当にわからない状況となった。日本シリーズを振り返ろう。

・8対0から「8対0返し」の第1戦、第2戦

 今年の第1戦と第2戦は、オリックスの本拠地の京セラドーム大阪で開催。第1戦はオリックスが山本由伸、阪神が村上頌樹の両投手が先発。大半が投手戦を予想していたと思う。
 4回までは予想通り投手戦。山本は4回まで2安打無失点、村上はランナーをひとりも出さないパーフェクト。そして、5回に大きく動いた。先頭の佐藤輝明がヒットで出塁すると、ノイジーの打席の中で佐藤輝が盗塁成功。ノイジーがアウトになったものの、渡邉諒が先制タイムリー。その後近本、中野の連続タイムリーで、この回4点が入った。オリックスからすると、まさかの4失点だったと思う。6回にも木浪、坂本、中野のタイムリーで3点、絶対的エース山本をKO。9回にも1点追加で8対0で阪神が先勝。
 第1戦での佐藤の盗塁に関して、岡田監督は「まだ試合あるんで言えない」ということで、真相は岡田監督やチーム内しかわからないが、佐藤は決して足の遅い選手ではない。矢野前監督の時より、チームの盗塁数は減っているが、去年の佐藤は盗塁11決めている。山本に対して、少しでも揺さぶりをかけたいという盗塁だったと思う。
 第2戦は一転してオリックスが制す。古巣対決となった西勇輝、序盤まではしっかりと抑えたが、3回に暗雲。西野にタイムリーで1点失うと、4回に野口、廣岡、中川の3連打で3失点でKO。ビーズリーは好リリーフを魅せるも、2年目の岡留が7回に3失点でほろ苦い日本シリーズデビューに。8回にエラーで1失点。オリックスは第1戦に0対8で敗れるも、第2戦で「8対0返し」。

・接戦多し!甲子園3連戦

 8対0で先勝も、オリックスに「8対0返し」を食らった形になった阪神。甲子園での3連戦では、どちらかが3連勝すれば、甲子園で日本一の胴上げが可能だった。
 この3連戦は接戦だらけ。第3戦は坂本がセカンドゴロの間に1点先制するが、オリックスは頓宮がこの今シリーズ初となるホームランを放ち同点。5回に伊藤将司の自らの悪送球もあり3失点。6回にも1失点したが、7回に阪神も追い上げる。この回からマウンドに上がった山岡から3点を返し、9回も平野佳寿から2つの四球でチャンスを作るも、大山の三振でゲームセット。第3戦はオリックスが制する。
 第4戦、オリックスは、7回にこれまであまり当たりの出ていなかった宗の2点タイムリーで同点に追いつく。そして8回のオリックスの攻撃でサプライズ。2アウト1、3塁の場面で阪神は湯浅を投入した。湯浅は中川圭太を1球で仕留めた。加治屋かなと思ったら湯浅だったんで、びっくりした。
 そして9回、阪神はワゲスパックを攻め、3塁に近本、ここで中野と森下を連続で申告敬遠という策に。4番の大山との勝負を選択。第4戦で空振り三振を喫するなど、「逆シリーズ男」になりかけていた大山が意地のタイムリーでサヨナラ勝ち。連続の申告敬遠に対しては、間違っていなかったと思う。森下は調子が上がってきた一方で、大山の調子が上がっていなかったんで。結果的に裏目に出た。
 第5戦、オリックスの勝利が濃厚になってきたかなと思ったら・・・。という展開に。4回にゴンザレスのホームランで先制したオリックス、7回には2アウト1塁の場面で、森のセカンドへのゴロを中野がエラー、さらにバックアップに入っていた森下がボールに手につかず、宗をホームまで許した。まさかのダブルエラーで2対0になった。先発の田嶋が素晴らしいピッチングで、7回無失点の好投。
 8回裏、これまで好投の田嶋に代えて山ア颯一郎にスイッチ。この継投で流れが大きく変わった。先頭の木浪がヒットと悪送球で2塁、代打糸原のヒットで1、3塁に。近本のタイムリーで1点を返したところで、3連投になる宇田川に。中野がしっかり送りバントを決めた後、森下が宇田川の低めのボールをしっかり合わせて、2点タイムリー3塁打。続く大山も宇田川のフォークを捉えてタイムリー。その後坂本にも2点タイムリーで勝負あり。
 オリックスにとっては、やはり継投が裏目に出てしまったことが悔やまれる。シーズン中の流れでいきたいところだったかと思うけど、上半身のコンディション不良でベンチ入りしていなかった山ア颯が万全じゃなかったのか。結果論にはなるが、田嶋続投でもよかったかもと思う。

・「やられたらやり返す」の第6戦、第7戦、そして歓喜の日本一!阪神!

 第6戦、俺自身は現地観戦した。イープラスの先行抽選で当たったので。阪神の王手で迎えた第6戦、先発はオリックスが山本由伸、阪神が村上頌樹。第1戦と同じ顔合わせ。
 2回表にノイジーの本塁打で先制。しかしその裏のオリックス、若月のタイムリーに中川圭太の犠牲フライで逆転。山本は決して調子が良くないながらも、要所を締めるピッチング。5回裏には紅林の2ランホームランでリードを広げる。村上は回の先頭バッターを塁に出すことが多く、5回4失点という苦しいピッチングになった。
 山本は尻上がりに調子を上げてきたが、球数からして「8回までかな」と思ったら、9回もマウンドに。9回もゼロに抑え、見事な完投勝利。阪神からすると、「さすが山本由伸」としながらも、もう1点が入らなかった。ピンチを背負っても、要所を締めるピッチングができるというのは、プロ野球の投手として必要な力のひとつ。ピンチを時こそ真価を問われるし、ここで抑えられる山本はすごかったということ。第1戦で7失点を喫した相手に対して、やり返した。
 第7戦、先発やオリックスが宮城、阪神が今シリーズ初登板の青柳晃洋。ベンチにはオリックスが東、阪神は伊藤将司と才木が入り、本来先発の投手が計3人がベンチに入る総動員で両チームが挑む。
 3回までは宮城、青柳は素晴らしいピッチング。4回に大きく動いた。森下のヒット、大山の死球の後、ノイジーが宮城の変化球をうまくすくい上げて、レフトスタンドに入る3ランホームラン。これはノイジーが見事。
 5回表も阪神は坂本と近本の連続安打の後、中野が併殺打でチェンジかと思われたが、リクエストで判定が覆って、そこから森下、大山、ノイジーの3者連続タイムリーで、大きく突き放した。第2戦で宮城に封じ込まれた阪神、見事に宮城をKO。
 以降、両チームは継投。阪神は6回から登板の伊藤将が3イニングをゼロで、第3戦のリベンジ。対してオリックスも第5戦で打たれた宇田川、山ア颯がそれぞれ1イニングを投げて、阪神打線を抑えた。互いの投手、やられたらやり返した。
 9回表に1点を挙げ7対0とした阪神は、その裏は守護神岩崎ではなく桐敷をマウンドに。先頭にヒットを許すも、森を併殺打で2アウト。そこで岩崎を投入したが、頓宮に意地のソロホームランを打たれたが、最後のバッター杉本をレフトフライに抑え、日本一!

【最後に】

 いやぁ、ホンマに良かった。まさかの山本由伸のKOから一転、8対0返しをするというオリックス、甲子園3連戦も接戦だったし、がっぷり四つ。第6戦、第7戦は互いに意地が見られて、素晴らしい日本シリーズだった。
 阪神が日本一になれたのは、勝敗に大きく左右する場面、ここぞというところで打てたことだと思う。中軸の当たりが出ていなかった阪神、好調の木浪、近本、中野でチャンスメイクするも、森下、大山、佐藤輝が凡退するケースが相次いだ。しかし、ここぞいう場面で森下、大山が打ち、勝負強さを発揮した。
 岡田監督が日本一監督インタビューで「オリックスは強かった」とコメントしていたが、まさにその通り。吉田正尚が抜けても、日替わり打線は機能し、投手陣も山下や東など新戦力が台頭。本当に素晴らしいチームだった。改めて、阪神タイガース日本一おめでとうございます!そして、本当にありがとう!

2023年プロ野球、今季の12球団「簡単な一言」で評価する

 2023年のプロ野球、セ・リーグは阪神が18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一、パ・リーグはオリックスがリーグ3連覇を果たした。11月5日の日本シリーズ第7戦をもって、2023年のプロ野球は終了し、今後はFA、戦力補強等、各球団は動くことになる。
 いやぁ、まだなんか日本一の余韻が残っている。長年阪神ファンをやってきて、うれしさいっぱい。一方で、リーグ優勝できなかった他球団は、2023年はどんなシーズンだったのか。「簡単な一言」シリーズで振り返る企画は、Jリーグでは以前からやっていたが、プロ野球では2021年からやっている。では早速、セ・パ12球団の今年を「簡単な一言」で振り返ることにする。

  • 悲願達成!・・・阪神タイガース
  • 下馬評覆す・・・広島東洋カープ
  • いい戦力のはずなんだが・・・横浜DeNAベイスターズ
  • 世代交代の最中・・・読売ジャイアンツ
  • ゴタゴタ続き・・・東京ヤクルトスワローズ
  • 細川が光明・・・中日ドラゴンズ
  • ナカジマジック、今季も健在・・・オリックスバファローズ
  • 谷保さんのために・・・千葉ロッテマリーンズ
  • 大型補強実らず・・・福岡ソフトバンクホークス
  • 追い上げ実らず・・・東北楽天ゴールデンイーグルス
  • かつての「山賊打線」はどこへやら・・・埼玉西武ライオンズ
  • 一時期は4位もあったが・・・北海道日本ハムファイターズ

・悲願の日本一の阪神、下馬評を覆した広島

 阪神に関しては後日、詳しく振り返るが、18年ぶりのリーグ優勝に38年ぶりの日本一、最高のシーズンになったことには間違いない。本当におめでとう!!
 そして2位になったのが広島。多くの人が下位を予想していたんじゃないかと思ったが、新井さんがいい雰囲気を作り出して、その下馬評を覆す2位。振り返ってみると、先発、中継ぎはいい戦力が揃ってきたなと。特に中継ぎは島内をはじめ、150キロ超の力強い球を投げることができる投手が増えた。抑えは栗林が不振で、矢崎が務めていた時期も。栗林に関しては復調気配はあったものの、完全復調まではいかなかった。
 打線においては、マクブルームが昨年ほどの数字が残せず、デビッドソンも一発の魅力はあるものの、打率が上がってこなかった。日本人野手においては、突出した成績ではないものの、不気味というか、ちょっと嫌らしい選手が揃っている感じがした。まだまだ伸びてきそう。

・下馬評の高かったDeNA、世代交代の巨人

 野球評論家の中でもDeNAを優勝予想する人がいて、下馬評は高かったはずのDeNA、しかし優勝には手に届かず3位に終わった。先発投手陣が充実してきて、さらにバウアーの加入、中継ぎ、抑えも充実していた。トミージョン手術などで大きな影響を受けた東が、今年は大復活の16勝。バウアーが期待通りの10勝を挙げるも、昨年2桁勝利の大貫と今永がそれぞれ5勝と7勝止まり。中継ぎもエスコバーと伊勢が安定せず。守護神の山ア康晃も安定せず、森原が守護神を担った。中継ぎと抑えが安定しなかったことが痛かったかと思う。
 打線においては、牧が29本塁打、103打点(打点王)、宮アが首位打者、関根がキャリアハイの成績を残せた一方で、佐野が不本意なシーズンになったと思う。オースティンは昨年の手術からか、今年もまだハイパフォーマンスを発揮できなかった。ソトも本塁打王に輝いた時からすると物足りない。
 巨人は昨年に続き4位。これまで主力を担った菅野や、打線では坂本、巨人に復帰の長野、移籍組の梶谷、丸、中島、松田、中田など、35歳前後の選手が多く、世代交代がテーマになっていたかと。投手では山ア伊織、戸郷が2桁勝利を挙げ、赤星、横川も登板機会が増えた。誤算だったのが抑えの大勢の離脱やろう。
 打線では、岡本は自身シーズン初の40本塁打以上(41本)で本塁打王を獲得。坂本は序盤は大不振も、最終的には打率.288、20本塁打の成績は残した。若手では門脇、秋広が頭角を現わした。
 投打とも頭角を現わし始めた選手がいる一方で、丸が巨人移籍後、打撃3部門全てで成績を落とし、梶谷も故障の影響で不本意な成績に。菅野においても、全盛期の力はさすがに難しい。巨人は世代交代の真っ只中にあると思う。世代交代をしながら勝つというのは、野球に限らず難しい。

・ゴタゴタが続いたヤクルト、打線では細川が光明の中日

 リーグ3連覇へ向けて挑んだ今シーズンのヤクルト、何かとゴタゴタだった印象。打線では、やはり村上の誤算。最終的には31本塁打、84打点の成績も、序盤の不振がなかなか抜け出せず、守備においても失策数は22。不動の先頭バッターだった塩見の離脱も響いた。
 投手では小川が10勝、サイスニードとピーターズはまずまずの成績かと思うが、他の先発投手陣がいまいち成績を残せなかった。マクガフの退団で、今年は誰が守護神を担うか注目していたが、田口が務めて、33セーブを挙げた一方で、中継ぎ陣もいまいち安定しなかったのも痛かった。
 投打において誤算があったこともそうだが、残念な出来事も。8月13日の阪神戦で、ヤクルト今野が阪神梅野に対して死球。梅野は左尺骨を骨折し、今季絶望。ヤクルト公式のフォトギャラリーには「今野投手は5回から2番手として登板すると、2回無失点に抑える好リリーフを見せました」と投稿。デッドボールで骨折させておいて「好リリーフ」って?ということで球団が謝罪。
 8月19日には、木澤が中日石川昂弥に対して、頭部への死球で石川昂は負傷交代。この試合はヤクルトが勝利したが、田口が試合終了後の恒例「勝利の舞」パフォーマンス。死球を与えておいて「不謹慎」と批判。その後すぐさま田口はTwitter(現X)で謝罪。
 9月3日の阪神戦では、ヤクルト山本が近本に右脇腹へのデッドボール。近本は途中交代となった。その後の山本は後続を断ったが、ヤクルトのスタジアムDJパトリック・ユウ氏が「ナイスピッチング!」とアナウンス。近本は巨人高梨に同箇所付近にデッドボールを受けているだけに、このアナウンスに批判。パトリック・ユウ氏は翌日、自身のSNSで謝罪。チームとして誤算続きな上、残念な出来事もあり、ゴタゴタな今年だったかと。
 そして中日、2年連続の最下位に沈んでしまった。近年、投手陣が整備されてきた一方で、貧打が続いている。カリステが終盤になって結果を残し始めた一方、アキーノ、アルモンテの外国人は結果を残せず、これまで長年活躍したビシエドも全盛期だった時と比べたら、かなり物足りない。
 その一方で、現役ドラフトで中日に移籍してきた細川成也が24本塁打、78打点を挙げ才能開花。岡林が2年連続でレギュラー確保。石川昂も打撃3部門全てでこれまでを上回った。村松、龍空、福永、鵜飼など、今後レギュラーとなり得る選手は多く、来季は不気味な存在になるかも知れない。

・強かったオリックス

 俺自身は、今年もオリックスとソフトバンクの一騎打ちになるかなと思っていた。吉田正尚が大リーグへ移籍した影響がどうか注目していたが、2位ロッテに15.5ゲーム差をつけてのぶっちぎりのリーグ優勝だった。
 オリックスの強みは、やっぱり投手陣。絶対的エースの山本由伸は、3年連続で投手4冠に沢村賞も獲得。さらに宮城や山ア福也も2桁勝利。3年目の山下舜平大が開幕投手を務め、今季9勝をマーク。昨年に育成から支配下登録された東も6勝で、一軍で投げて負け投手になっていない。
 リリーフ陣も山ア颯や宇田川も健在で、今年も結果を残した。ワゲスパックが不安定だったが、阿部や小木田、山田らも中継ぎとして活躍。大ベテランの抑え平野佳寿も防御率1.13、29セーブを挙げた。投手陣が盤石だった。
 打線においては、吉田正尚が抜けた穴は、FAで加入した森友哉が埋めた。打線は日替わり打線で、2021年は130通り、2022年は141通り、今年も136通りの先発オーダーを組んだ。原則固定の阪神とは真逆の起用方法。詳しくは述べることはできないが、現地観戦した日本シリーズ第6戦の先発オーダーを見ると、抜け目がない。選手がいろんな打順で慣れてきて、適材適所に打順を組んでいるように思う。これが日替わり打線のメリットなんやろう。

・谷保恵美さんのためにチーム一丸、ロッテ

 若い選手のポテンシャルは高いが、ちょっとどうかなぁと思っていたロッテ、レギュラーシーズンは2位となり、クライマックスシリーズでもファイナルステージまで進出した。
 2位躍進の要因としては、投手陣がよく頑張ったんじゃないかと。佐々木朗希は離脱もあって7勝に終わったが、小島が2年ぶりに10勝を挙げ、種市がトミージョン手術から復活の10勝、これは大きかったと思う。リリーフ陣に関しても、ペルドモ、坂本光士郎、そして日本ハムから移籍の西村など活躍し、抑えは益田、調子を落とした時期もあったが、36セーブを挙げた。
 打線に関しては、ポランコが本塁打王を獲得。若い藤原や安田は、自己最多の試合出場。今年は投高打低ということもあるが、まだまだ伸びるはず。それだけのポテンシャルは持っている。あとは、今季限りで場内アナウンスを退く谷保恵美さんのために、という思いが強かったと思う。レギュラーシーズン2位で、クライマックスシリーズの場内アナウンスも担当できた。クライマックスシリーズのファーストステージ突破のアナウンスも。
 独特のコールで、ロッテファンだけではなく広く親しまれていた谷保さん、「千葉ロッテマリーンズ、優勝決定です!」というアナウンスはすることはできなかったが、何はともあれ、33年間お疲れ様でした!

・届かず、ソフトバンク、楽天

 まずはリーグ3位のソフトバンク、ロッテからオスナ、大リーグの有原航平、FAで近藤健介と嶺井博希らを補強し、リーグ優勝を目指したが届かず、7月の12連敗も響き、3位に終わった。
 巨人と同様、これまで主力選手が高齢化気味。栗原が昨年の長期離脱から復帰も、今季も負傷もあり不本意なシーズンに。2018年に22本塁打を放った上林も、今季も結果を残せず、戦力外通告を受けた。20代半ばの選手が伸びてこず、外国人野手も全員ハズレも響いた。
 楽天は序盤低迷も、じわり追い上げて、クライマックスシリーズ進出争いを演じたものの、3位以上に届かず4位に終わった。
 楽天に関しても、特に投手が高齢化気味であることと、近年外国人野手のハズレが響いているので、そこがどうかと思った。先発では岸、則本、田中将大といったベテランは今季もローテを担ったが、田中将大は特に数字的には不本意な結果に。若い投手で先発ローテを担えるのが早川と新人の荘司。荘司は新人なので、早川に関しては2桁勝って欲しかった。
 野手に関しては、浅村と小深田は持ち味を発揮したと思うが、外国人野手のフランコは思ったほど数字が残せず、ギッテンスは一軍出場がなかった。昨年の最多安打とベストナインの島内も数字を落とした。野手に関しても高齢化気味、辰巳、小郷あたりがどっぷりとレギュラーに君臨して、世代交代できればと。

・かつての強力打線は・・・西武、一時は4位も・・・日本ハム

 リーグ5位に終わった西武、一時期は最下位にも落ちたが、何とか5位で終わった。投手陣に関しては、昨年から整備されてきて、今年もチーム防御率は2.93と良い成績を収めている。
 中継ぎ、抑えで活躍した平良が今季から先発に転向。11勝を挙げて、先発転向が成功。橋光成、今井も2桁勝利。1年目は1勝に終わった隅田が今年は9勝。松本は6勝止まりだが、2桁勝つポテンシャルは十分ある。
 やっぱり打線が響いた。FAで森友哉がオリックスへ移籍、古賀が100試合に出場したが、打率は.218、2本塁打、20打点の成績で、打撃で課題が残った。そして、やっぱり山川が出場できなかったのは痛い。かつては「山賊打線」と言われて、2018年と2019年を連覇したときの強力打線はどこへやら?という感じかと。
 2年連続最下位に終わった日本ハム、俺自身、ポテンシャルの高さを買って3位と予想したが、ちょっと無謀だったかな・・・。でも、一時は4位まで順位を上げたからね。
 投手陣においては、加藤貴之、上沢、伊藤大海など、先発ローテとして1年投げてきた一方で、もう少し台頭が必要だったかと。ただ、それを担えるポテンシャルを持った投手はいて、来季も底上げを狙うのかな。加藤貴之がFA、上沢が大リーグ移籍が取り沙汰されているが、どうなるか。
 そして、田中正義が日本ハムへ移籍して、2勝3敗25セーブを挙げ、これまでの苦労が報われて飛躍。鳴り物入りでソフトバンクに入団も故障続きで、持ち味を発揮することができなかった。新庄監督から「笑顔で投げなさい」というアドバイスのもと、移籍1年目でプロ初勝利を含め飛躍。
 打線においては、やはり万波中正。打撃3部門全てキャリアハイの成績。その一方で、野村は自己最多の13本塁打は放つも、打率が低迷。清宮は負傷離脱も響き、10本塁打に終わった。そして、打線の意図がわからない。日本ハムもオリックスのように「日替わり打線」で、オリックスの日替わり打線は抜け目がないという印象だが、日本ハムは万波を1番に据えたり、実績に乏しい選手を4番に据えたり、意図が見えない。新庄監督は多くの選手に出場機会を与えているので、まだまだその見極めが終わっていないんかな。

【最後に】

 ということで「簡単な一言」から、阪神を除く11球団を振り返った。セ・リーグはヤクルトのリーグ3連覇が有力かもと思ったら5位、広島の下馬評が低かったものの2位。パ・リーグはオリックスのぶっちぎりで3連覇。
 シーズン開幕前の俺自身の順位予想では、セ・リーグは阪神、DeNA、巨人は正解も、パ・リーグは全滅・・・。まぁ、阪神が当たれば満足する(笑)。
 これからFAや戦力補強の情報がどんどん入ってくると思う。オリックスでは山ア福がFA宣言、楽天の松井裕樹、オリックスの山本由伸、日本ハムの上沢直之は大リーグ挑戦へ。DeNAの今永昇太も大リーグ挑戦かと報じられている。今オフは主力の移籍が活発化しそう。そこは今後に注目するとして、今シーズンもお疲れ様でした!来季も楽しみにしています!

2023年の阪神タイガースを振り返る

 プロ野球の2023年シーズンが終了して一週間、各球団では秋季キャンプが行われている。阪神も11月1日から始まっているが、日本シリーズの戦いが終わって、8日から湯浅、小幡らが合流。佐藤輝や森下らは侍ジャパンに招集されている。
 さて、我らが阪神タイガースは今年、18年ぶりのリーグ優勝に、38年ぶりの日本一に輝いた。最高のシーズンになった。今季の阪神を振り返ると共に、来季に向けて述べていきたいと思う。

・原則メンバー固定は吉

 オリックスや日本ハムの日替わり打線と違って、阪神は原則メンバー固定で臨んだ。守備においては、佐藤輝はサード、大山はファーストに固定。中野をセカンドにコンバート。打順に関しても、近本と中野の1、2番、大山は4番、キャッチャーを7番、8番木浪を固定。大山を除く中軸が少し固まらなかったところはあったが、当初ノイジーが3番も、シーズン後半に入って、森下が3番に定着した。
 近本、中野、木浪が今季好調だっただけに、中軸があまり打てなくても、彼らでタイムリーヒットを期待できた。この3人の好調というのは、今季の象徴のひとつだったと思う。日替わり打線のような現代野球がいいのか、原則メンバー固定の昔の野球がいいのか、賛否両論あるかも知れないが、チーム方針や選手の特徴などを加味すると、どっちがいいかは監督や首脳陣の考え方次第だと思う。原則メンバー固定で戦ってきた岡田監督の判断は間違っていなかった。

・大収穫!村上、大竹の活躍が大きい

 阪神は元々、投手陣の豊富さを売りにしている。今季も先発投手陣は豊富のはずだったが、青柳と西勇輝がそれぞれ8勝止まりだった。一方で、3年目の村上が10勝、防御率1.75の活躍。さらに現役ドラフトで阪神に移籍した大竹が12勝2敗、防御率2.26の活躍。昨年いなかった戦力で22勝を上積み。これはかなり大きかった。
 村上に関しては、開幕第2戦で先発秋山の後にリリーフ登板している。その後4月12日の巨人戦で先発し、7回をパーフェクト。岡田監督もパーフェクトピッチングだっただけに「(投手交代に)迷った」が、予定通りに交代を告げた。村上の大活躍はここから始まった。
 大竹に関しては、抜群の制球力を生かした技巧派投手。西勇輝などにもアドバイスをもらっていたようで、気持ちで勝負することができるようになったとか。メンタル面って、プロ野球だけではなく難しい。強気で投げるほうがいい、自信満々になりすぎず慎重に、など、選手によって能力の伸ばし方は違うと思う。大竹の場合は、打者に向かって勝負するように切り替えた結果、飛躍に繋がったと思う。

・リリーフ陣は一部誤算もあったが

 昨年、大きく飛躍した浜地と湯浅、この2人はレギュラーシーズン中は、昨年より成績を落とすことに。今季は湯浅が守護神を務めることになったが、右腕のコンディション不良で登録抹消の時期も。一軍復帰も、オリックスとの交流戦で頓宮と杉本にホームランを打たれ、再び登録抹消。
 今季の復帰は難しいかと思われていたが、日本シリーズ第4戦で登板。大きなどよめきが起こったが、1球で中川圭太を打ち取って、阪神ファンは大歓声。第5戦は8回表の1イニングを投げ、3人で打ち取り、その裏の逆転へと繋げた。復活のきっかけとなったことには違いない。
 湯浅の不調によって、守護神を担ったのが岩崎。昨年も守護神を担って28セーブを挙げたが、今季は35セーブで最多セーブ獲得。中継ぎは島本、石井、加治屋、岩貞、先発から中継ぎに回った桐敷も活躍した。石井に関しては、今年最も良くなった投手だと思う。マウンド度胸がついて、眼が違った。戦っている眼をしていた。
 第一次岡田政権の時は、ウィリアムス、藤川、久保田の「JFK」を擁して、2005年のリーグ優勝に導いたが、JFKのようなことはせず、多くのリリーフ陣を擁して、盤石のリリーフ陣を形成した。

・積極的見極め?で四球量産

 昨年までの矢野前監督のときは積極的野球で、打撃や守備、盗塁など、失敗を恐れず、積極的にプレーすることを掲げていた。岡田監督になり、守りの野球という方針で、その中で積極的にというのはあると思うが、四球を選ぶというのも重要と。その結果、大山、近本、中野に関しては、昨年と比べて四球が大幅に増えた。
 敵の投手としては厄介だと思う。ボールを見極められ、フォアボールになると球数も増えるし、ピンチにも繋がり、投手へのダメージもじわりとくる。
 ただ、どうなんやろう。積極的に初球から振ってきた打者にとっては、多少のモデルチェンジが必要で、その方針に順応させていくことになる。ボール球を振らない、というのはこれまでと変わらないと思うが、「打ちたい」でも「見極める」という2つをうまくバランスが取れるか、選手は難しかったんじゃないかな。とは言いつつ、四球の重要性を知ったシーズンだったかなと思う。

・失策数はそれほど変わらないが

 昨年まで5年連続で、リーグ最多失策数の阪神。岡田監督の「守りの野球」の方針のもと、先ほども述べているが、佐藤輝はサード、大山はファーストに固定。中野をセカンドにコンバートするなど、改革に出た。
 今年のレギュラーシーズンの失策数は85、昨年の86より1つ減ったが、これで6年連続のリーグ最多失策数。「変わってないやん」と思ってしまうが、昨年と違うのは、試合に大きく影響するエラーが減ったように思う。昨年までは、今年の日本シリーズのように、エラーをすれば失点するというのが顕著で、それも大事な場面でのエラーが目立った。もちろん、エラーして失点の場面はあったが、影響が大きくなかったかも。
 少し物議を醸しているが、リーグ最多の失策数なのに、今年は阪神からゴールデン・グラブ賞の受賞者が5人出ている。捕手では阪神坂本誠志郎は84試合出場で失策2、ヤクルト中村悠平は106試合出場で失策ゼロ。もちろん、出場した試合すべて先発というわけではないが、どうなんでしょう。セカンドは阪神中野が、昨年まで10年連続で受賞の菊池を抑えて初受賞。今年の中野の失策数は9、菊池は3。中野は全試合フルイニング出場なので、これが評価された形なのか。

・勝負強さが光った

 打線に関して、これまで「貧打」と言われ続けた打線、1985年のバース、掛布、岡田、真弓のように本塁打量産や、2005年のように金本、今岡で打点を稼ぎまくっての優勝というのはあった。今年の打線は、打率、本塁打、打点で突出した成績を収めた選手はいないが、勝負強さが光った年だったかと思う。
 俺自身、勝負強さの定義は「勝敗に左右する場面で打てるか」だと思っている。金本知憲氏が以前言っていたのだが「(得点圏でも)どの場面で打っているかが大事」だと。得点圏打率は概ね参考になるものの、大負けや大勝ちしている状況でタイムリーを打っても得点圏打率は上がる。以前の大山は「チャンスで打てない」「どうでもいい場面で打つ」とか言われていたが、それは昔の話。大山も勝負強さがついてきた。
 何と言っても、近本の得点圏打率.374というのは素晴らしい。チャンスでタイムリーヒットを多く見たし、数字通りの印象。8番にほぼ固定の木浪に関しても、勝負強い打撃でチームに貢献。当初は小幡が開幕スタメンも、木浪がポジションを奪った。

【来季へ向けて】

 秋季キャンプが行われているが、まずはここでしっかりと来季へ繋がる練習に打ち込んでほしい。そして、外国人選手の去就、ミエセスとビーズリーは残留濃厚かと報じられていて、ノイジーは流動的、など報じられていて、ここは注目するが、日本シリーズで2本塁打のノイジーは残ってほしいなぁ。
 これまでは「阪神○○獲り!」といった記事をよくみた。これはうんざりした。FAで獲得した選手は、2018年オフに獲得した西勇輝が最後で、打線に関しても生え抜き打線になった。年齢的にも若手、中堅の選手が多いので、現有戦力の底上げが基本でいいと思う。
 あとは今年初めて結果が出た選手(村上や大竹)に関しては、来季以降も勝負。結果が出た今年と同じことを来年やっても通用しない。当然研究される。打者の場合は、打つ際の構えやバットの位置、足の上げ方など、いろいろと取り組んでいる。投手にしても同じだと思う。球種を増やす、速球に磨きをかける、投球フォームの改造など、自身に足りない部分を伸ばすとか、サイド気味に投げるなど、投手それぞれで取り組み方は違うが、プロ野球選手として活躍するための取り組みを行っている。
 オリックスの山本由伸は今年、足を上げない新フォームに着手して、今年も投手4冠の活躍。このように、2年連続MVPを受賞した山本も取り組んでいる。打者にしても投手にしても、来季へ向けてどう取り組むか、これは選手次第だが、来季以降も通用するよう、取り組んでほしい。
 ということで、今年の阪神タイガースを振り返った。今年、どこかで甲子園へ行きたいなと思っていたが、行けなかった。でも、日本シリーズを現地観戦できたことはよかった。来年は甲子園へ現地観戦したい。今シーズンもお疲れ様でした。また来年も日本一を獲りましょう!

クォン スンテ、現役引退を発表

 11月30日、鹿島はGKクォン スンテの現役引退を発表した。最終節の横浜FC戦の試合後、引退セレモニーを実施することも併せて発表した。
 39歳、いつかは来る引退の発表、それが今シーズンだった。スンテが加入したのは2017シーズン。前年までは曽ヶ端準の牙城を崩す選手が出てこず、実績十分のスンテが曽ヶ端からポジションを奪うか注目だった。
 そして、同年開幕スタメンにはスンテが。開幕節では敗れたものの、第2節アウェイ甲府戦で1対0でリードしていたが、試合終了間際に山本脩斗のファウルで痛恨のPK献上。そのPKをスンテがストップし、1対0で勝利した。このPKストップが印象に残っているサポーターは多いと思う。
 それ以降、スンテが正GKへと君臨。と思ったが、アウェイ柏戦の試合中に負傷交代。負傷が癒えた後はリーグ戦の出場がなく、サブに甘んじた。2018年は正GKに返り咲き、同年のACL優勝に大きく貢献した。
 2020年以降は、沖悠哉の台頭で、出場機会が減少。2021年終盤の残り5節、2022年第27節まではスンテが務めたが、今年は早川友基が、第33節までリーグ戦全試合先発フル出場。今年は公式戦の出場がなかった。
 今年は韓国の後輩、パク ウィジョンが加入し、彼の先生役としても貢献していると思うし、自身はいつでも出場できるように準備は怠っていない。最終節の横浜FC戦、先発はあるのか、それとも、これまで通り勝利優先ということで早川が先発か。ここは注目することにしよう。
 強いて言えば、Jリーグ優勝をスンテと分かち合いたかった。しかし、2018年にACL優勝に大きく貢献したことは間違いない。第2の人生をどう過ごすのか、このあたりはまだわからないが、何らかの形で鹿島に関わってくれたら嬉しい。2017年から7シーズン、本当にお疲れ様でした。

2023シーズンの鹿島を振り返る

 J1リーグは3日に最終節が行われ、鹿島は横浜FCに2対1で勝利した。鹿島はこれで、2023シーズンの公式戦の全日程を終了した。
 タイトル獲得を目指して挑んだ今シーズンも、タイトル獲得はできなかった。J1リーグ戦は5位、ルヴァン杯は決勝T準々決勝敗退、天皇杯は3回戦敗退という結果になった。最終戦セレモニーの中で優磨が「今年の結果には、鹿島アントラーズに関わる全ての人が納得していないと思う」と。間違いないと思う。ほしいのはタイトルだから。今年も悔しいシーズンになった。早速、今シーズンの鹿島を振り返ろう。

・4-1-2-3で始まったシーズンも、伝統の4-4-2へ

 岩政監督が掲げる「新しい鹿島を創る」というテーマ、今年のキャンプ中の練習試合、プレシーズンマッチで結果を残せず、かなり不安の中でのスタートとなった今シーズン序盤、鹿島は4-1-2-3の布陣でスタート。G大阪、柏、神戸、シーズン途中にC大阪も4-1-2-3の布陣に着手した。
 アンカーに佐野、インサイドハーフに樋口とピトゥカ、左ウイングに知念、トップに優磨、右ウイングに藤井。右ウイングで躍動する藤井、何といっても佐野のボール奪取能力の高さが光った。一時期負傷で離脱したが、復帰後も圧巻のパフォーマンスを魅せた。
 序盤はずっと4-1-2-3ではなく、前半は4-1-2-3、後半は4-4-2にして、優磨と知念の2トップ、藤井を左サイドハーフにする戦いになっていた。第3節までに、知念、優磨、藤井の前線3選手に得点が生まれ、手ごたえを掴むかと思われた。
 しかし、第5節から4連敗を喫し、第9節のアウェイ新潟戦から、サイドハーフに攻守にわたって献身的に動ける仲間と名古、トップに垣田を起用した伝統の4-4-2に。この布陣が機能し、新潟戦からリーグ戦5試合連続無失点の5連勝。強い鹿島が戻ってきたかと思われた。
 調子のよかった時期は続かず、上位のマリノス、神戸には力負けでシーズンダブルを食らい、川崎には相変わらず勝てず。最終的には伝統の4-4-2になったが、個人的にはもう少し、4-1-2-3を見たかったなという思いがあるかな。これまでやってこなかったし。

・上位と川崎には、今シーズンも勝てず

 昨年に関しても、上位陣に勝てなかったが、今年も上位には勝てない。先ほども述べているが、優勝した神戸には完全に力負け。ホームでは1対5の大敗、国立開催の神戸戦では1対3で敗れた。
 これまであまり苦手にしてこなかったマリノスに関しても、昨年に続きシーズンダブルを食らう。今シーズン、優勝争いには関わってこれなかった川崎にも、これまでの苦手意識なのか、今季もシーズンダブル。2015年2ndステージの勝利を最後に、リーグ戦では勝利がなく、完全に天敵になっている。
 神戸は優勝したから強いということもあるが、強度の高い守備からボールを奪って、縦に速い攻撃からゴールを目指す戦術がハマり、国立開催の神戸戦を見たけど、一歩も二歩も神戸の選手たちの動きが速いし、何と言っても全員がハードワークする。鹿島の選手は、神戸の戦術についていけず、力の差は明らか。

・「新しい鹿島を創る」は途上の段階で終わる

 3日の最終節のセレモニーで、岩政監督の挨拶の内容を聞く限り、今シーズン限りで退任を示唆するようなものだった。そして4日、岩政監督の退任が正式発表になった。
 岩政先生が監督に就任したのは、昨年の8月から。就任当時から常々「新しい鹿島を創る」と明言。岩政先生は、一つの形に選手を当てはめようとするのではなく、選手の特性に合わせて臨機応変な戦い方を目指していたが、選手はいるものの、生かし切れなかった印象か。
 昨年のオフ、川崎から知念、広島から藤井、町田から佐野が移籍加入、シーズン途中には須貝が移籍加入した。そして、植田や昌子、今夏には柴崎も戻ってきた。「新しい鹿島を創る」というテーマの中で、必要なピースであることから彼らをオファーしたはずだが、具体的な形が見えてこなかった。

・それでも5位、よくやっているが

 鹿島は常々、タイトルを獲ることが義務づけられたクラブ。無冠に終わったということは、確かに残念と言わざるを得ない。
 2020年シーズンから2021シーズン途中までのザーゴ、同年途中から同シーズン終了までの相馬直樹、2022シーズンから同年途中までのレネ ヴァイラーの3氏は、指導者経験はそれなりに豊富。岩政先生の場合は、アマチュアクラブの選手兼任コーチ、2021年に大学の監督を1年経験を経て、昨年からプロの指導者としてスタート。
 昨年シーズン途中で退任となったヴァイラーに代わって岩政先生が監督に就任したわけだが、プロクラブの指導者として、わずか半年で監督に就任。さすがに経験不足が否めないんじゃないかと。それでも岩政先生は、自身のやりたいサッカーを実現するために精一杯だったと思うし、それでも5位でシーズンを終了したことに関しては、よくやっていると思う。
 要は、クラブとして、どういう方向へ向かっていこうか、というところが見えてこない。2020年シーズンのザーゴから、これまでのリアクションサッカー脱却を目指して、新しいサッカーに取り組んだ。しかし、2021年途中にザーゴが解任。この4シーズンで監督が計4人担当している。少なからずとも、これまで務めた4人の監督の求めるものは違うところはあるし、共通している方向性やポイントってどこ?と思ってしまう。
 フロントに関しても、未熟なところはあろうかと思う。これまで長年、フットボールダイレクター(FD)を務めた満さん(鈴木満氏)は、2021年シーズンをもって退任し、昨年から吉岡宗重氏がFDを務めている。ジーコもテクニカルディレクターからクラブのアドバイザーに。最も、吉岡FDが中心となって、中長期的な戦略も立てていくことが重要なのだが、監督選びも含めて、どういった方向性でクラブを作っていくのか、フロントの考えが見えてこない。

【来季へ向けて】

 岩政監督の退任が決定し、最も優先課題は次期監督の人選。勝利を求めるのは当然だが、チームコンセプトをしっかりと把握して上で、それに合った監督が選べるか。それによって、選手の加入はあるやろうけど、選手の流出も少なからずあるはず。5日現在、町田ゼルビアが昌子を調査、沖が移籍濃厚?、6クラブ以上が荒木を狙っているとの報道がある。
 人選整備としては、FW登録の選手が多いこと、サイドハーフもやや多い。ボランチに関しては、ピトゥカがサントスへ復帰(今夏サントスがフライング発表)、佐野海舟が近い将来に海外となった場合、ここは補強ポイントになる可能性がある。センターバックは昌子次第。GKはスンテが引退、岡山へ期限付き移籍中の山田は復帰かな。J2リーグ戦終了後、鹿島の練習にも参加していた。沖が移籍となると、もうひとり必要。
 今オフは選手の入団、退団が激しくなりそう。INよりも、OUTが多く出てくると思う。どういう方向性のもとで補強が進められるかは注目する。最後に、岩政先生、選手時代を含めて12年間ありがとうございました。また近い将来、何らかの形で再び鹿島に関わってもらえたらと。お疲れ様でした。

移籍情報続々と(エレケ、カイキ、ピトゥカ)

 J1リーグは終了し、国内サッカーは天皇杯決勝を残すのみ。ACLは川崎、甲府、横浜FMがグループステージ最終節が残っているが、これからのオフシーズン、来シーズンへ向けて戦力整備が本格化してきた。
 鹿島に関しても、5日に岩政監督の退任、7日はブレッシング エレケとアルトゥール カイキが契約満了にて退団、ディエゴ ピトゥカはサントスFC(ブラジル)へ完全移籍すると発表した。

・ブレッシング エレケ、契約満了にて退団

 やはりそうかぁ、まずは外国人から戦力整備が始まるのかなと。エレケは昨年の夏に鹿島に加入。レネ ヴァイラー前監督のもとでプレー経験があり、おそらくヴァイラーのオファーもあり、鹿島への入団を決めたと思う。しかし、エレケが加入前にヴァイラー前監督が退任した。それでも「鹿島の力になりたい」ということで来日。元柏のオルンガのような活躍を期待していた。
 しかし、途中加入の難しさからか、チームへのフィットに時間がかかり、昨年の第32節の磐田戦の1ゴール(4試合出場)にとどまった。それでも、この磐田戦が最もパフォーマンスとしてはよかったと思う。樋口のゴールのお膳立てをしたのもエレケ、前線での起点になれそうだった。後半途中に無念の負傷交代となってしまったが、今年の2023年が勝負だと思った。
 今年に入っても出番は殆ど訪れなかった。前線での起点、キープ力はありそうと思っているが、周りとの連携、あとは孤立しているのかな、役割がわからないというか。殆どベンチ外の日々を過ごしながら、練習では真面目にこなしていた。結果的に、鹿島の戦術に合わなかったかと。ヴァイラーがいてたら、また違った結果になったかも知れない。

・アルトゥール カイキ、契約満了にて退団

 やはり退団だったか。2021年にピトゥカと共に加入が決まっていたカイキ、新型コロナの影響による入国制限により合流が遅れた。その影響もあり、最初は途中出場やベンチ外が多かった。しかし、徐々に戦術にもフィットし、同年終盤は先発出場も増加し、得点も増加。
 昨年は左サイドや2トップの一角にも起用され、29試合9得点を記録。今年に関しては、サイドアタッカーの藤井の加入などで出番が減り、2得点にとどまった。特に、アウェイ新潟戦から、サイドハーフには攻守に献身的に動ける仲間と名古の起用が増え、出番が減少。身長はそれほど高くないが、ヘディングは強く、ヘディングでのゴールも多かった。豪快な右足のシュートも多かった。
 岩政先生のサイドハーフの起用方法からして、ヘディングや豪快な右足のシュートはあるものの、攻守にわたって献身的に動き回れるかとなると、カイキに関してはどうかなぁと思ってしまう。

・ディエゴ ピトゥカ、サントスFC(ブラジル)へ完全移籍

 これはサントスが今夏にフライング発表していたので、今シーズン限りでピトゥカは移籍するやろうと思っていたけど・・・。誰もが想像つくわなぁ。
 2021年にカイキと共に加入が決まっていたピトゥカ、ピトゥカも新型コロナの影響による入国制限により合流が遅れた。当初、ボランチには三竿健斗とレオ シルバが主に務めていた。ピトゥカは次第に出場機会が増え、レオとピトゥカのボランチというのもあった。レオといっしょにプレーできて、戦術のいち早いフィットにも繋がったと思うし、レオの存在は心強かったと思う。
 レオが2021年限りで退団後は、レギュラーとして君臨。昨年は、ペットボトルを蹴り上げて、Jリーグから4試合の出場停止、ファウルを貰うのがやや多いかなという感じもあったが、攻守にわたって動けるボランチのレギュラーがいなくなるのは痛い。

【最後に】

 鹿島に関してもついに選手の退団、移籍の情報が入ってきた。まずは外国人から戦力整備といったところか。7日時点で外国籍選手はパク ウィジョンだけになるね。選手の獲得に動いていると思うが、点取り屋、サイドアタッカー、ボランチ、それぞれの選手欲しいなぁ。それが日本人か外国人か。
 これからも選手の退団、移籍、加入の情報は入ってくると思うが、ここは注目する。エレケは1年半、カイキは3年、これまでありがとうございました。どこかのクラブが必ず獲ってくれると思う。そしてピトゥカ、タイトルが取れなかったのは残念だが、鹿島でプレーしてくれてありがとうございました。サントスで活躍を期待してます。オブリガード!

移籍情報続々と(山田大樹、小川優介)

 各クラブとも、来シーズンへ向けての戦力整備が本格化してきて、7日横浜FMは、ケヴィン マスカット監督が今季限りで退任すると発表。えっ?っと思ったが、社長のコメントを見ると「クラブとしては苦渋の選択」とのことで、来シーズンもやってほしかったという思いが伝わる。選手もそうだが、監督も、今後の人生を考えての決断するのは当然ある。
 さて、鹿島は8日にも動きがあった。ファジアーノ岡山へ期限付き移籍していた山田大樹が鹿島復帰、小川優介がFC琉球へ完全移籍すると発表した。

・山田大樹、鹿島アントラーズ復帰

 お帰り!スンテが引退したんで、復帰というのは既定路線だったかと。J2リーグ終了後、鹿島の練習にも参加していたのを、公式YouTubeで見た。
 岡山では序盤の6試合にフル出場し、「これはレギュラー獲ったかな」と思った。しかし、7節以降は出番がなく、最終節の金沢戦にフル出場。計7試合の出場だった。本人のコメントから「もっと試合に出てチームの力になりたかった」と、悔しさもにじませながらも、得たものはあったんじゃないかと。
 今季は早川がリーグ戦34試合フル出場し、鹿島に復帰する山田がどこまで成長しているか。同期の松村はもう一皮というところまできたが、荒木は移籍が取り沙汰されているし、染野は東京Vに期限付き移籍中。本来は、この同期4人が軸になってほしいところだが、まずは山田に早川を脅かすくらいのパフォーマンスを魅せてくれたらうれしい。

・小川優介、FC琉球へ完全移籍

 同い年で、同じ昌平高校から須藤とともに加入した小川、高卒新人は3年くらいをめどに、今後の方向性を決めていくことが多い鹿島だが、FC琉球への完全移籍となった。
 2021年に加入の小川、本職はボランチで、同ポジションには三竿健斗、レオ シルバ、ピトゥカらがいて、なかなか出場機会に恵まれなかった。昨年は樋口が加入し、今年は佐野海舟が加入。シーズン途中に柴崎が復帰。実力者が勢揃いしていて、3年間で公式戦出場は昨年の天皇杯の1試合のみ。
 須藤のように、期限付き移籍はせず、鹿島で練習を積んできた。年々力は付けてきたとは思うが、それでも出番はやってこなかった。

【最後に】

 まずはGKに関しては、スンテの引退に伴って、山田が復帰したことは喜ばしい。沖の状況次第では、もうひとりGKが必要だが、それは後続を待つ。山田には来シーズンは、早川と競争し、早川を脅かすくらいのパフォーマンスが見られたらうれしい。
 そして小川に関しては、FC琉球ではきっと出場機会はあると思う。鹿島での3年間の経験を、FC琉球へ生かしてほしい。3年間ありがとう。がんばれ!

2023シーズンのJ1クラブを「簡単な一言」で評価する

 国内サッカーを締めくくる天皇杯決勝が行われ、川崎が柏をPK戦の末下し、3大会ぶりの優勝。国内サッカーの大会は全て終了した。J1は神戸、ルヴァン杯は福岡、天皇杯は川崎という結果になった。タイトルを獲得した神戸、福岡、川崎に関してはおめでとうございます。
 来シーズンへ向けて、移籍市場が本格化するだけではなく、名古屋は新エンブレムの発表や、鹿島など2024年シーズンのユニフォームを発表しているクラブもある。来シーズンへの動きに関しては、続報を待つことにするが、2023年シーズンの各クラブを「簡単な一言」で振り返ってみる。

  • 悲願達成!・・・ヴィッセル神戸
  • あと一歩及ばず・・・横浜F・マリノス
  • 2年連続3位・・・サンフレッチェ広島
  • 堅守光る・・・浦和レッズ
  • 上位には歯が立たない・・・鹿島アントラーズ
  • 2年目の長谷川監督は強いはずだったが・・・名古屋グランパス
  • ついに初タイトル!・・・アビスパ福岡
  • 苦しいシーズンだった・・・川崎フロンターレ
  • 失点は少ないが、得点がいまいち伸びず・・・セレッソ大阪
  • 上出来ではないか?J1復帰1年目で・・・アルビレックス新潟
  • 監督交代も、いまいち好転せず・・・FC東京
  • 得点は多いが、失点も多く・・・北海道コンサドーレ札幌
  • ポテンシャルは高い・・・京都サンガF.C.
  • しぶとさ健在・・・サガン鳥栖
  • 何とか生き残った・・・湘南ベルマーレ
  • 波が激しい・・・ガンバ大阪
  • 苦しいシーズン、天皇杯決勝では光明も・・・柏レイソル
  • 無念・・・横浜FC

・悲願達成、J1初制覇の神戸

 ヴィッセル神戸の選手、監督、サポーター、神戸に関わる全ての方々、改めてJ1初優勝おめでとうございます。クラブ創設29年目にして初の栄冠、神戸に関わる方々全員がこの喜びに浸っていたと思うけど、特に長年ヴィッセルを応援していた人にとっては、待ちに待った優勝だったと思う。
 近年の神戸は、ルーカス ポドルスキやアンドレス イニエスタなど、スター選手を揃えて「バルサ化」を目指していたが、2019年度の天皇杯初優勝はあったものの、躍進や低迷、波が激しかったように思った。
 今年は、強度の高い守備からボールを奪って、縦に速い攻撃からゴールを目指す戦術がハマった。何より全員がハードワークする。前線のターゲットマンのサコは22得点で得点王にMVP。武藤や佐々木も躍動。運動量が求められるチーム戦術の中で、これまで華麗なパスでチャンスメークしてきたイニエスタは出場機会が減少して、シーズン途中で退団。セルジ サンペールも退団して「脱バルサ化」へとシフトした。
 こういった全員がハードワークするだけに、ベテランもいるし、シーズン最後まで強度が続くかどうか、と思っていたが、見事に優勝までたどり着いた。2021年途中に神戸に加入したサコは、それまでは負傷もあって不本意だったかと思うが、今年は見事に復活した。

・優勝に届かず、横浜FM、川崎

 J1連覇を目指してスタートした横浜FM、シーズン終盤、神戸との直接対決で敗れたのは痛かったが、何よりDF陣に負傷離脱者が多すぎた。それでも、サコと得点王を分け合ったアンデルソン ロペス、ヤン マテウス、エウベルの前線3人の外国人は脅威だった。
 負傷離脱者が多かったのは、横浜FMだけではなく、川崎もそう。谷口がカタールへ移籍したのもあるが、ジェジエウや車屋、山村、登里など、川崎も序盤は負傷者続出で苦しんだ。千葉へ期限付き移籍中だったDF田邉秀斗を復帰させるなどして対応するも、その田邉も負傷離脱という悪循環に。
 離脱者が徐々に復帰してからは、徐々に順位は上げていくものの、J1優勝争いには絡めず、8位に終わった。しかし、天皇杯では意地を見せて、3大会ぶりの優勝に輝いた。

・悲願の初タイトル、福岡

 福岡は2001年から5年サイクルでJ1昇格、1年でのJ2降格を繰り返してきたが、2021年は8位に躍進した。しかし、昨年は14位で辛うじてJ1残留。なので、個人的にはちょっと厳しいシーズンになるのかなと思った。
 やや調子を落として2桁順位になったこともあったが、最終的には7位でシーズンを終えた。さらに、ルヴァン杯では初の決勝進出、そして初のタイトル。1996年にJリーグ初参入から28年、ヴィッセルもそうだが、長年アビスパを応援していた人にとっては、嬉しさは人一倍あると思う。
 2020年から長谷部監督となり4シーズン、確実に積み上げていっていると思う。あとはリーグ優勝争い、天皇杯は今年ベスト4まで進出しているだけに、こちらのタイトルも取りたいやろう。

・残留争い、最後は横浜FCがJ2降格

 2024年シーズンから、J1、J2、J3とも20クラブ構成になるため、今季のJ1リーグの最終結果でJ2降格となるクラブは、最下位の1クラブのみというレギュレーション、その最下位となってしまったのは横浜FC。横浜FCは今季から4-2-3-1の布陣に変更したが、機能せず、途中から慣れ親しんだ3-4-2-1に。チームの得点源の小川航基が移籍したということも大きかったか。
 湘南、柏、G大阪も危なかった。共に一時期最下位に低迷したが、何とか残留。湘南に関しては、そんなに悪い内容ではないと思っている。柏は井原監督に監督が替わり、当初は監督交代の効果がなかなか見えなかったが、粘り強くなってきた。天皇杯決勝ではPK戦で敗れたものの、素晴らしい試合だった。
 G大阪は調子の波が大きかった。序盤はチーム戦術に苦しんで、一時は最下位に低迷し、浦和サポからしょうもないヤジ「J2大阪!J2大阪!」とヤジられる。シーズン中盤に入って、チーム戦術が機能してきて、第15節から第22節まで7勝1分。チームが上昇気流に乗ってきた柏戦の後、G大阪サポーターが「J2柏!J2柏!」と、調子に乗ったヤジ。これにはクラブ側が謝罪。戦術が機能し始めて、上昇気流に乗るかと思われたが、最後は7連敗フィニッシュになってしまった。
 従来のレギュレーションならG大阪、柏もJ2降格だったが、G大阪は監督を変えず我慢して、何とか16位で終え、柏に関しては徐々にしぶとさ、粘り強さが出始めたが、17位で終えた。

【最後に】

 横浜FMと川崎に関しては、ACLのグループステージ最終節の1試合が残っているが、国内サッカーが終了したということで、今シーズンの国内サッカーを振り返ったが、全チーム見ているわけではないので、気になったところを特に振り返った。鹿島に関してはすでに振り返っているので、ここでは述べないことにした。
 前年13位だった神戸が優勝、改めてJ1って、あまり差がないなと。きっかけがあればこれだけ躍進できるわけで。神戸は昨年、ノエビアスタジアムでマリノスの優勝を見てしまった。今年は自分たちのホームで優勝を決めた。2002年甲子園で巨人の優勝決定、2003年阪神が甲子園で優勝決定と同じ感じ。
 国内サッカーはこれで終了。来季はJ1初昇格の町田、1年でJ1復帰の磐田、実に16年ぶりのJ1復帰の東京Vが加わり、20クラブ構成になる。移籍市場は見ていくとして、次に楽しみなのは、来季のホーム開幕カードの発表。広島の新スタジアムは行きたいが、広島のホーム開幕カードが鹿島戦やったらどうしよう・・・。できればそれは勘弁。いい季節で、日帰りで行けるタイミングを希望・・・。
 来季のホーム開幕カード発表は、12月23日を予定しているようで、これは注目する。選手、サポーターの皆さん、今季もお疲れさまでした。来年も楽しみにしています。

2023シーズンのJ2クラブを「簡単な一言」で評価する

 J2リーグ戦は先月に終えていて、J1昇格は町田と磐田。そして、J1昇格プレーオフでは3位東京ヴェルディが4位の清水エスパルスに引き分け、規定により東京Vが実に16年ぶりのJ1昇格を決めた。
 まずはJ1昇格を決めた町田、磐田、東京V、J1昇格おめでとうございます。そして、J1昇格はならなかったが、甲府に関してはACLで奮闘。他クラブのサポーターが国立まで足を運んで、甲府を応援するという素晴らしい行動も。では早速、今季のJ2に関しても「簡単な一言」で振り返る。

  • 安定した強さで、J1初昇格・・・FC町田ゼルビア
  • 補強禁止も、結束のJ1復帰・・・ジュビロ磐田
  • 長かったJ2脱出!・・・東京ヴェルディ
  • 弱いところがあるのか・・・清水エスパルス
  • 序盤の8連敗からV字回復・・・モンテディオ山形
  • 久々に上位まできた・・・ジェフユナイテッド千葉
  • 得点は多かったが、失点も多くなった・・・V・ファーレン長崎
  • ACLと平行、お疲れ様・・・ヴァンフォーレ甲府
  • 前半は昇格圏内だったのに・・・大分トリニータ
  • 引き分け19は多いなぁ・・・ファジアーノ岡山
  • 上位進出へいいきっかけ・・・ザスパクサツ群馬
  • J2初挑戦で手応えあり・・・藤枝MYFC
  • 上位への壁・・・ブラウブリッツ秋田
  • あれだけ引き抜かれて、よく粘った・・・ロアッソ熊本
  • 危なかった・・・徳島ヴォルティス
  • チーム内外でゴタゴタ・・・ベガルタ仙台
  • 徐々に順位が下がる・・・水戸ホーリーホック
  • 旋風巻き起こらず・・・いわきFC
  • なかなか上位へ行けない・・・栃木SC
  • 低迷・・・レノファ山口FC
  • 奇跡起こらず・・・大宮アルディージャ
  • 新スタジアムで出直し・・・ツエーゲン金沢

・J1昇格おめでとう、町田、磐田、東京V

 J1自動昇格圏に入った町田と磐田、J1昇格プレーオフを勝ち上がった東京Vの3チームが、J1昇格を決めた。改めておめでとうございます。
 J1昇格をJ2優勝で決めた町田、今季は青森山田高校で長く監督を務めた黒田剛氏を監督に招聘。昨年オフに主力の平戸太貴、佐野海舟、太田修介らが退団し、影響がどうかと思ったが、安定した強さを見せつけた。中でも、2019年に横浜FMの優勝に貢献したエリキが活躍。終盤は負傷によって出場はなかったが、18得点を挙げて、J2リーグMVPを獲得。高校で長く監督を務めて、今年初めてJクラブを指揮した黒田采配も素晴らしかったと思う。
 2位でJ1昇格を決めた磐田は、補強禁止の処罰を受けているので、厳しいかなと思っていたが、見事にJ1昇格。昨年と大きく顔ぶれが変わることがなかった一方で、不測の事態があったらどうするんやろうか?と思ったけど、見事に乗り切った。
 そして、J1昇格プレーオフを制してJ1昇格を決めた東京V、実に16年ぶりのJ1。Jリーグ草創期、かつては三浦知良、武田修宏、ラモス瑠偉らスター選手を揃えて、数々のタイトル獲得したが、後に読売新聞社など経営撤退、経営危機により弱体化。2008年のJ1を最後に、J1復帰が遠かった。
 かつてはスター選手を揃えて、数々のタイトルを獲得したが、2010年以降、育成には定評があり、東京Vで活躍した選手が次々と、他クラブへ移籍したことも、J1復帰がなかなか果たせない要因にもなったと思う。
 そして今年は常に上位で推移し、昇格圏内にも入っていた。結果、リーグ戦は3位で終えたが、J1昇格プレーオフを制した。ヴェルディのジュニアからヴェルディ一筋の森田晃樹、彼にとっては人一倍嬉しいはず。主将という責任感、J1昇格プレーオフ決勝の痛恨のハンドもあり、染野がPKで追いついてくれてJ1復帰。大粒の涙を流した。

・昇格最有力がまさか・・・、清水

 今季のJ2、J1昇格候補を挙げると、真っ先に清水を挙げる人は多かったと思う。昨年の得点王チアゴ サンタナら、主力の多くが残留し、ぶっちぎりのJ2優勝もあるかもと思った。
 始まってみれば、スタートダッシュに失敗。5試合連続の引き分け、2連敗で勝利なし。ゼ リカルド監督を解任し、秋葉監督へ。その秋葉監督がチームを立て直し、ホームいわきFC戦では9対1で大勝するなど、得点力も発揮。第41節終了時点で2位、最終節に勝てば自動昇格圏の2位が決まるところだったが、痛恨の引き分け。
 J1昇格プレーオフ決勝では、後半アディショナルタイムに痛恨のPKを献上し、J1昇格ならず。乾は「僕らがJ2のチームだということ。みんなの弱さ」と、勝負弱いところを指摘したが、J1昇格最有力と思われた清水は、他チームからのマークもあったと思うし、プレッシャーもあったと思う。

・チーム内外で・・・、仙台

 他にJ1昇格候補があるなら仙台もあるかなと思っていた。しかし、まさかの16位で終えた。その成績が影響したのか、ベガルタサポーターのマナーって悪くなったのか?と。
 特に、磐田との対戦で、磐田の後藤啓介にゴールを許し、ベガルタサポーターの前で後藤は両耳を当てるパフォーマンスを。後藤本人は「申し訳ない」としながらも、「前半からベンチで見ていて、ビルドアップしているだけでブーイングだったり、関係ない選手にブーイングするっていうのは、サッカーファミリーである以上、やってはいけないと思う」とコメントし、反響を呼んだ。
 相手のビルドアップにブーイングというのは、鹿島サポーターもやっている。他もやっているからいいんじゃないか、とかではなく、やはり考えさせられるなと。後藤からすると、よほどブーイングが気になっていたんやろう。こういったコメントを出せるのは立派だと思う。
 その行動に怒ったのか、磐田のバスを取り囲んだベガルタサポーターに無期限の入場禁止処分。最終節はホームで町田に敗れ、最終戦セレモニーでは、フロントへの横断幕も続々と。フロントも悪いけど、一部のサポーターも意識改革する必要があるんじゃないかと。

・J3降格、大宮、金沢

 J1経験チームがJ3降格した経験があるのは大分と松本、そして今年、J1経験のある大宮がJ3降格となってしまった。序盤は勝ち負けの繰り返しで推移するも、J3自動降格圏へと低迷。シュヴィルツォクをシーズン途中に獲得し、救世主になるかも?という活躍を見せるも、負傷により、第38節以降は出場がなかった。
 シュヴィルツォクが離脱もあり、窮地に追い込まれ、J3自動降格圏への脱出はならず、21位で終了。J2ライセンスを持たないFC大阪の結果次第では、J2残留も僅かながら可能性が残されていたが、FC大阪は2位に入れず、大宮のJ3降格が決定した。
 そして、金沢は最下位でJ3降格が決まる。序盤は4連敗スタートも3連勝。第10節までで5勝5敗、上位進出を目指すには良くはないが、悪くはなかったと思う。しかし、徐々に順位が低下し、最下位に転落。来季は新スタジアムでのプレーがJ3、コンパクトにまとまったスタジアムだが、ビジターゴール裏が残念・・・。

【最後に】

 J2も戦いが終わった。甲府に関しては、J2として初のACLグループステージ突破。おめでとう。来年2月に早速、決勝トーナメントが始まるだけに、来季への戦力整備は大変やろうけど、応援しています。
 来季は横浜FC、J3から愛媛と鹿児島がJ2に加わり、20クラブ構成になる。今も全てのクラブが戦力補強に動いているが、J2では個人昇格が多く、どれだけ主力を引き留められるかもカギになろうかと思う。オフの移籍市場は引き続き注目するとして、今季もお疲れ様でした。


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