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第661回〜第670回

新監督にランコ ポポヴィッチ氏

 鹿島は21日、新監督にランコ ポポヴィッチ氏、トップチームのコーチにミラン ミリッチ氏と鹿島OBである中後雅喜氏の就任を発表した。
 ポポヴィッチ氏に関しては、就任報道があったんで、特に驚きというのはないが、報道時には「ポポヴィッチかぁ!」と驚いた。サンフレッチェ広島でコーチをやっていたのは記憶にないが、2009年途中から大分トリニータの監督に就任したことで知った。
 他のJクラブの監督を務めたことのある人物が、鹿島の監督に就任するのはおそらく、2021年途中に監督に就任した相馬直樹(川崎と町田の監督経験あり)に次いで2人目だったと思う。なので、報じられた時には本当に就任するのかなと。これまでは全く存じ上げない人物や、クラブOBの監督が多かったんで。
 大分ではJ1残留は果たせなかったものの、チームの立て直しに貢献。クラブの経営危機によって、同年限りで退任。2011年には当時JFLのFC町田ゼルビアの監督に就任し、J2昇格に貢献。2012年から2年間、FC東京の監督、2014年から同年途中までC大阪の監督。2020年から3年間は再びFC町田ゼルビアの監督を務めた。
 こういった経歴の持ち主のポポヴィッチだが、経験が豊富で、Jリーグのこともよく知っている。2020年のザーゴからポゼッションサッカーを目指したい方向だったが、ここ数年は監督の交代が相次ぎ、中途半端な状態になっている印象が強い。2022年に初めて、欧州国籍の監督とコーチを招聘も頓挫した。
 経験豊富で、攻撃的なサッカーを構築してくれそうだが、Jリーグで優勝争いに絡んだことがないんやね。大分では残留争いの最中での就任なのでやむなしだが、FC東京では優勝争いに絡めず、C大阪では途中で解任されている。2020年からJ2町田で3年間指揮したが、19位、5位、15位と浮き沈みが激しい。
 あともう一点気になるところは、サッカーダイジェストが報じているが、佐野海舟との仲。2020年から町田で佐野海舟とはチームメイトだったが、当時はあまり仲がよくなかったのかな。
 強化部の吉岡FDとは、大分時代に共にしていて、吉岡FDはポポヴィッチのサッカーを熟知しているはず。これで来季結果を出さないと、フロントの責任問題も大きく発展する。もちろん期待するが、7シーズン国内タイトルがないだけに「今度こそ頼む」という思いが強い。頼んだ!

移籍情報続々と(荒木遼太郎、ギリェルメ パレジ)

 鹿島は24日、MF荒木遼太郎がFC東京へ期限付き移籍、ギリェルメ パレジがCAタジェレス(アルゼンチン)より期限付き移籍で加入すると発表した。荒木遼太郎の期限付き移籍期間は2024年シーズンまで、期限付き移籍期間中は鹿島との公式戦には出場できないことになっている。
 先日は監督がポポヴィッチ氏に決まったが、選手の移籍、加入の情報がしばらく入ってなかったので、どうなっているのかと思ったら、24日に久々に発表。

・荒木遼太郎、FC東京へ期限付き移籍

 率直に残念に思う。2020年、荒木遼太郎、松村優太、染野唯月、山田大樹の4人が加入し、この世代は「ひと味違うな」と思っていた。同年、新人ながら4人とも出場機会はあり、特に荒木に関しては、26試合出場で2得点をマークした。2021年は36試合出場で10得点。ベストヤングプレーヤー賞を受賞。10代で2桁得点を記録したのは、城彰二以来2人目の快挙だった。
 しかし昨年、椎間板ヘルニアの影響で、13試合1得点にとどまると、今年は13試合0得点。昨年からコンディションに苦しんだ上、攻守に献身的に動ける仲間や名古らのサイドハーフ、優磨と垣田の2トップが定着し、出場機会も大幅に失った。国立での神戸戦では、荒木が最も生きるトップ下で起用されるも、結果を残せなかった。
 荒木はサイドよりも中央でプレーするほうが生きるタイプだが、運動量が足りないし、キレを感じなかった。そうなると、鹿島の現状、起用方法もちょっと限られる。2021年のパフォーマンスが10段階の10だとすると、2023年はどうなんやろう。3くらいかな。

・ギリェルメ パレジ、CAタジェレス(アルゼンチン)より期限付き移籍加入

 ようこそ!鹿島へ!OUTの情報は入っているが、INの情報を聞けてうれしい。
 ピトゥカ、カイキ、エレケの3人の外国人が鹿島を去り、まずはギリェルメ パレジが入ったわけだが、右利きのウインガーで、両サイドでプレーでき、中央のプレーも得意らしい。ポジション的にはカイキの後釜という感じだが、プレースタイルはカイキとは異なるのではないかと。
 28歳ということで、サッカー選手としては中堅。比較的短期間での移籍を繰り返しているというのが気がかりだが、是非とも鹿島で活躍してほしい。

【最後に】

 24日、久々に選手の移籍情報が入ってきた。まだまだ戦力としては整っていない。GKは沖が移籍濃厚と報じられていて、移籍となると補強ポイントになる。ボランチも1人ほしい。そして、点取り屋が特にほしい。
 荒木に関しては、まずは期限付き移籍ということで、FC東京で復活して、また鹿島に戻ってきてもらいたい。そして、ギリェルメ パレジ、日本でプレーすることが夢のひとつだったということで、その嬉しさとともに、是非とも鹿島でタイトルをもたらす活躍を期待しています!

移籍情報続々と(昌子源)

 鹿島の移籍情報がしばらく入ってこなかったが、昨日24日に荒木遼太郎のFC東京への期限付き移籍、ギリェルメ パレジの期限付き移籍加入が発表された。そして今日25日、鹿島は昌子源がFC町田ゼルビアへ完全移籍すると発表した。
 以前から移籍が報じられていたが、本当に移籍してしまうんやなぁと。昌子は2011年、柴崎岳、梅鉢貴秀、土居聖真とともに加入。柴崎がいち早く頭角を現す中、昌子に関しては、入団3年目の2013年まで出場機会が限られた。鹿島は高卒入団から3年をめどに、今後の方向性を決める傾向だったが、4年目も鹿島に。
 そして4年目の2014年に早速レギュラーを奪取。当初は青木剛とセンターバックを組んでいたが、途中から植田直通とのセンターバックへ。同年は全試合出場し才能開花。土居、柴崎も全試合に出場した。
 2016年にJリーグと天皇杯制覇、クラブW杯で準優勝に大きく貢献。2018年はACL制覇にも貢献して、同年終了後、トゥールーズ(フランス)へ移籍した。移籍当初はレギュラーを掴んでいたが、翌シーズンは負傷の影響などにより、出場機会が減少し退団。
 日本に戻り、2020年にガンバ大阪に移籍。5年契約との報道があり、これで鹿島には戻ってこないかなと思っていたら今年、鹿島に復帰した。しかし、2018年ごろのパフォーマンスとは程遠く、21試合出場で先発は4試合にとどまった。
 2022年はセンターバックが不安定だったということもあり、植田直通、昌子源を呼び戻した。シーズン当初、「植田と昌子にいつまでも頼っては世代交代は進まない」と。2人の復帰はうれしい反面、今後の世代交代という観点では、植田と昌子にどっぷりレギュラーだと・・・、という思いもあった。今年は植田と関川のセンターバックが定着し、昌子の先発は4試合、途中出場では主に3バックの中央を担うことが多かった。
 昌子の移籍で、現時点でセンターバックが本職のメンバーは植田、関川、津久井の3人。なので1人は必要。期限付き移籍中の林とキム ミンテがいるが、年齢的に林に戻ってきてほしいと思っている。とはいえ、他クラブからのセンターバックができる選手を獲得することも選択肢のひとつだが、ここは続報を待つ。
 最後に、昌子のコメントにもある通り、まだまだ試合に出場したいという思いが強く伝わってくる。選手紹介では、拍手する人もいると思うが、主にブーイングが飛ぶと思う。そして、試合終了後は必ず、鹿島サポーターに挨拶してくれると思う。おそらく、挨拶時は大きな拍手で沸くと思う。もう一花、二花咲かせて、サッカーを楽しんでほしい。これまで本当にありがとうございました。

移籍情報続々と(中村亮太朗、沖悠哉)

 鹿島は27日、ヴァンフォーレ甲府へ期限付き移籍していた中村亮太朗が、清水エスパルスへ期限付き移籍、そして沖悠哉が清水エスパルスへ完全移籍すると発表した。中村亮太朗に関しては、2025年1月31日までの契約で、鹿島との公式戦には出場できないことになっている。

・中村亮太朗、清水エスパルスへ期限付き移籍

 シーズン途中、甲府への期限付き移籍を決めた中村、移籍時「改めて、鹿島アントラーズの戦力になることができるよう、研さんを積んできます」というコメントを残し、満を持して甲府へ復帰したが、甲府では出場機会が増え、ACLにも出場した。J2ながらACLにも出場できて、いい経験をしたと思っている。
 甲府はACL予選突破していて、来年早々に決勝トーナメントを戦う上に、中村は期限付き移籍期間延長かもと思っていた。清水は今季J1昇格を逃しているが、甲府も逃している。今オフ、甲府は主力の移籍が目立ち始めているのも気がかりで、それだけに移籍は簡単な決断ではなかったはず。

・沖悠哉、清水エスパルスへ完全移籍

 中村もそうだが、沖に関しても移籍に関する報道があったので、やっぱり移籍するのかぁ。
 沖は2018年にユースから昇格。2019年までは曽ヶ端やスンテがいたことで、出場機会はなかったが、2020年第9節の鳥栖戦がリーグ戦初出場で、無失点。第12節以降フル出場し、レギュラーを掴んだ。翌年も開幕節から出場し、GKに関しては世代交代が完了かなと思った。
 しかし、第34節からスンテが務めるようになり、2022年もレギュラーで出場していた。スンテは第27節まで出場していたが、第28節で沖の出番が回ってきて、次節も出場した。この出場がリーグ戦最後の出場となり、第30節から同シーズン終了まで早川がGKを務め、さらに今年は、早川がリーグ戦全試合フル出場を果たした。沖はカップ戦中心の起用となった。
 GKは当然ながら、ポジションは1つしかないし、コロコロと交代するポジションではない。サブにいるGKの殆どが、正GKの負傷交代などで出番が回ってくる。一時期レギュラーを掴んでいた沖だっただけに、今年のリーグ戦出場ゼロは屈辱的だったかと。

【最後に】

 今日もINの情報はなく、OUTの情報が2名入ってきた。中村に関しては、清水で是非ともレギュラーを獲って、J1昇格に貢献してほしい。その後、どうするか考えてもらえれば。それが鹿島復帰なら嬉しい。
 そして沖、ジュニアから鹿島一筋で、2020年途中からレギュラーを掴んで、今後は曽ヶ端準のように長く正GKを努めて欲しかったが、移籍の決断を尊重しよう。来季はルヴァンや天皇杯で鹿島と対戦することがあれば、愛情たっぷりのブーイングをします(笑)。清水では是非とも、レギュラーを奪ってほしい。これまでありがとうございました。

移籍情報続々と(梶川裕嗣)

 鹿島は28日、ジュビロ磐田から梶川裕嗣が鹿島に完全移籍加入すると発表した。
 本当に来てくれたんやね。ありがたい。スンテが引退、沖が清水に完全移籍し、山田が鹿島に復帰したが、もうひとりGKが必要だと思っていたし、鹿島は30歳以上の選手を完全移籍で獲得することは滅多にしないが、GKの年齢層からして、ベテランがほしいなぁと思っていた。
 プロ入りは湘南から。湘南ではポジションを奪えなかったが、徳島へ移籍して、ここでレギュラーGKに。徳島での活躍が認められて、横浜FMに移籍。昨年から2年間磐田に在籍。磐田公式で、今回の移籍に対して「(磐田では)不甲斐ない2年間」とコメントしていて、磐田では思ったプレーができなかった様子。
 現状では、来季も早川が軸になろうかと思われるが、ベテランの梶川がどれだけのパフォーマンスを見せてくれるか。スンテが引退し、現時点で梶川がチーム最年長となり、ポジション争いだけではなく、チームのまとめ役も担ってくれたらと。
 これでGKに関しては、2024年の陣容が整ったと思う。梶川、早川、山田、パク ウィジョンの4人。センターバック、ボランチ、点取り屋というところが補強ポイントになってくると思うが、引き続き続報を待つ。
 今季は早川がリーグ戦全試合フル出場したものの、初めて1年間レギュラーGKになっただけ。パク ウィジョンに関しては、まだまだこれからの段階だと思うが、早川、山田、梶川で1つしかないポジションを争うことになると思う。何はともあれ、梶川に期待しよう。

移籍情報続々と(林尚輝、染野唯月)

 鹿島は29日、東京ヴェルディに期限付き移籍している林尚輝、染野唯月の2選手が、期限付き移籍延長を発表した。今年同様、期限付き移籍期間中は鹿島との公式戦には出場できない。
 まずは林だが、正直戻ってきてほしかった。昌子が町田ゼルビアへ完全移籍が決定し、センターバックが本職の選手は、期限付き移籍中のキム ミンテを除き、植田、関川、津久井の3人。確かに、植田と関川が今季、レギュラーとして君臨した。しかも、植田は全試合フル出場で、関川は一時、昌子にポジションを奪われたが、早い段階で奪い返し、去年から一皮むけた印象。
 植田と関川が万一負傷離脱となると、センターバックの層が薄くなるだけに、林の復帰を期待していたが、J1で手ごたえを得たいのかも。サイドバックが本職の須貝が一応、センターバックができないことはないので、ここは続報を待つ。
 そして染野、もう一年ヴェルディでプレーすることを決めた。J1昇格プレーオフで、昇格を決めるPKを決めて、J1昇格に貢献。昨年のヴェルディでのプレーで手ごたえを掴んで、今年は鹿島復帰したが、出場機会が少なく、もう一度ヴェルディへ期限付き移籍。
 おそらく、林と同様、J1で手ごたえを得たいんだと思う。それが今年の最初は、満を持して鹿島に復帰したものの、出場機会は得られなかったので、今度はヴェルディでJ1で手ごたえを得たいのかなと。
 最後に、2人とも期限付き移籍の延長でよかった。完全移籍は嫌やなぁと思っていたので。ヴェルディでは出場機会は得られると思うので、来年もヴェルディで力をつけて、2025年には鹿島に戻ってきてほしい。

移籍情報続々と(キム ミンテ)

 今年は元旦、石川県能登地方を震源とする震度7の地震(能登半島地震)が発生し、波乱の年始となってしまった。大きな被害が出ないようにと祈っていたが、甚大な被害が出ている。4日現在で死者が80人以上、怪我人や家屋の倒壊も多数出ている。亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。
 さて、鹿島は3日、湘南ベルマーレへ期限付き移籍しているキム ミンテが、同クラブへ完全移籍すると発表した。率直に残念に思う。林がヴェルディへの期限付き移籍延長、キム ミンテはどうするのか?と思っていたが、完全移籍という形に。
 2021年オフ、町田浩樹がベルギーのロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズへ移籍し、補強ポイントだったところ、キム ミンテが鹿島に加入した。2022年のセンターバックの陣容、関川、キム ミンテ、ブエノ、林の4人で、外国人枠や選手層、経験からして、やや不安かも?という陣容だったが、2021年終盤にレギュラーを奪取した関川とキム ミンテが軸になるのではないかと思われた。
 その不安が的中してしまう。第1節で関川が脳震盪の影響で前半で交代、第2節は前節の脳震盪の影響があったのか、ミスから失点し、前半だけで交代。キム ミンテも、前年の名古屋で鉄壁の守備を誇っていたパフォーマンスを出せず。ボランチが本職の三竿健斗がセンターバックを務めることが多くなる。センターバックはコロコロとメンバーが変わるポジションではなく、少なくとも1人はどっぷりレギュラーに君臨する。
 2022年はセンターバックの不安定が課題となり、2023年は植田直通と昌子源を呼び戻した。これにより、昌子源、植田直通、関川郁万、キム ミンテ、津久井佳祐でスタートも、レギュラーとなったのは植田と関川。関川の成長はうれしい一方で、キム ミンテはリーグ戦での出場機会がなく、湘南へ期限付き移籍。そして完全移籍。
 センターバックが本職の林とミンテが共に、2024シーズンは鹿島に戻ることはなかったため、現時点でセンターバックが本職の選手は植田、関川、津久井の3人。須貝がセンターバックは可能ではあるが、引き続き続報を待つことにする。
 最後に、本人のコメントにもある通り「納得いかない結果や自分本来のパフォーマンスを出せなかったことは申し訳ない」とのことだが、鹿島で学んだことを忘れず、湘南を上位進出へ貢献するパフォーマンスを見せてほしい。ありがとうございました。

移籍情報続々と(広瀬陸斗)

 鹿島は5日、広瀬陸斗がヴィッセル神戸へ完全移籍すると発表した。
 完全に頭になかった。広瀬は2020年に鹿島に加入。前年は西大伍が神戸へ移籍した影響や、負傷者などでサイドバックの人材が不足し、補強ポイントだったサイドバックに、永戸、杉岡とともに広瀬も加入。即戦力サイドバック獲得で一気に解決したと思った。
 広瀬の主戦場は右サイドバック。2020年はケガによる離脱もあり、15試合の出場にとどまり、本職はボランチながら右サイドバックでも起用可能の小泉慶が主に務めた。翌年以降は、常本佳吾とのポジション争いを繰り広げた。その後、広瀬は左サイドバックでの起用も増え、プレーの幅を広げた。
 2023年夏に常本がセルヴェット(スイス)へ移籍し、その後須貝が加入したが、主に右サイドバックを務めたのは広瀬。攻撃的な姿勢で、高速クロスでチャンスメークするシーンが増え、出場試合数は増えた。サイドバックが本職の選手は広瀬、須貝、安西、溝口で、2024年シーズンは濃野公人(関西学院大学)の加入が決まっているのが、広瀬と安西が軸になるかと思っていた。
 須貝はチーム戦術のフィットや、J1でのプレーが慣れ切れていないのか、出場機会は多くなかったし、溝口はこれからの選手。そして濃野は新人ということで未知数。なので5人いれば、と思っていたが、広瀬の移籍は頭になかった。ただ、須貝、溝口、濃野が2024年シーズンは、J1のプレー強度についていけると見込んでいると思う。
 最後に、広瀬本人のコメントで「自分にとっては難しい決断」とのことで、移籍すること自体、簡単に「ハイ!」と言えることはない。自身のキャリアを考えての決断。神戸には、サイドバックの実力者はいるが、是非ともポジション争いに勝って、レギュラーを勝ち取って欲しい。4年間ありがとうございました。

2024シーズン選手登録リスト発表

 鹿島は8日、2024シーズントップチーム登録選手とスタッフを発表した。まずはその前に、同日、ヨシプ チャルシッチが、TSCバチュカ・トポラ(セルビア)より完全移籍加入すると発表した。
 ようこそ!鹿島へ!いやぁ、昌子が町田ゼルビアへ移籍し、キム ミンテも湘南へ完全移籍、林が期限付き移籍延長ということで、センターバックは補強ポイントになっていた。関川が昨年成長できたのは、昌子と植田の加入により、危機感が生まれたことが要因のひとつに挙げられる。このままでは植田と関川がどっぷりという感じで、競争相手には相応しい選手が加入した。
 スタッフに関してはレネ ヴァイラーなど、2022シーズン初の欧州国籍の人物が加入した経緯や、今季から指揮するポポヴィッチがセルビア。欧州国籍の選手としてはヨシプ チャルシッチが初となる。期待します!
 2024シーズントップチーム登録選手に戻ろう。背番号の変更も2名いる。これを見ての印象をポジション別に、それぞれ見ていこう。

・GKは4人体制維持、早川の背番号が「1」に

 スンテが引退、沖が清水へ完全移籍し、補強ポイントとなっていたが、山田が岡山から復帰し、梶川が磐田から加入した。GKはこれまでも4人体制だったんで、4人でシーズンを迎えられるのはよかった。
 早川の背番号が「1」になった。昨年までスンテが付けていた1、全試合フル出場した早川にはその資格は十分にあるし、今季も早川が軸になることが予想されるが、梶川は経験豊富なベテランGK、山田は岡山での経験をどれだけ鹿島で生かせるかがポイント。
 パク ウィジョンは、今の序列的には第4GKと思われる。しかし、大先輩のスンテ先生がGKアシスタントコーチに就任し、同じ韓国人として心強い大先輩とともに、虎視眈々と試合出場を狙う。

・サイドバックがやや不安、未知数

 昨年夏に常本がセルヴェットFC(スイス)へ完全移籍。先日、広瀬がヴィッセル神戸へ完全移籍が発表。現状、サイドバックが本職の選手は、安西、須貝、溝口、新人の濃野となる。2025シーズンに加入する松本遥翔くん(鹿島ユース)が2種登録され、2024シーズンに出場できるが、あくまでも将来を見据えてのことなので、どこかで1試合出場できれば。
 須貝と安西は両サイドこなせるが、右は須貝と濃野、左が安西と溝口が有力。現状で見ると、右の須貝、左の安西が軸になろうかと思われるが、濃野がどこまで絡むことができるか。新人だけに、ここは未知数。
 安西に関しては、両サイドバック、両サイドハーフ、サイドならどこでも可能な選手で、これまでも重宝してきた。現状計算できるのは安西のみで、昨年途中加入の須貝は、昨年はフィットに苦しんだだけに、今季は勝負。溝口は安西を脅かすことができるか。サイドバックに関してはやや不安視される。昨年のように佐野がサイドバックを務めることも予想されるが、本職がボランチの佐野がサイドバックを務める状況にはしたくない。

・センターバックは、ヨシプ チャルシッチがどこまで絡めるか

 昌子が町田ゼルビアへ、キム ミンテが湘南へそれぞれ完全移籍し、東京ヴェルディへ期限付き移籍中だった林は、今季も期限付き移籍延長ということでヴェルディでプレーする。センターバックはどうしても1人ほしいと思っていたら、ヨシプ チャルシッチの加入が決まったということで、ホッとしている。
 センターバックが本職の選手は、植田、関川、ヨシプ チャルシッチ、津久井の4人になる。昌子と植田が加入したことで、関川が成長し、昨年は植田と関川がセンターバックのレギュラーに就いたが、ヨシプ チャルシッチがどこまで絡めるががポイントとなる。植田、関川と釣り合うのではないかという選手を獲得しないと、いい競争ができないと思うし、ヨシプ チャルシッチの加入は大きいと思う。
 津久井に関しては、昨年出場機会はなかったが、昌子、ミンテが移籍し、今季はチャンスはあるんじゃないかな。ルヴァンや天皇杯でまずはデビューして、3人に絡むことができれば。

・ボランチは人数はいるが、ピトゥカが抜けた影響

 ボランチが本職の選手は、柴崎、佐野、樋口、名古、舩橋だが、名古は昨年、サイドハーフでの起用が殆どだった。佐野は実力はもう言うまでもないが、代表に招集されているだけに、オフが取れないのが気がかり。
 樋口は昨年当初は、インサイドハーフやボランチを主戦場としていたが、途中からサイドハーフでの起用が多くなった。ボランチ、サイドハーフどちらでも起用可能で、ポポヴィッチはどう考えているか。あとは柴崎のコンディション、日本に戻ってきた当初は、さすがのプレーはあったものの、コンディションがベストに戻りきっていない上に、シーズン終盤に負傷し、今季を終えてしまった。背番号が10になり、今季はベストコンディションのもとでプレーしてほしい。
 懸念点としては、昨年のレギュラーのピトゥカが抜けたことか。とにかくよくボールに絡んで、チャンスを窺ったり、キックの精度も良かったし。ここまでよく動いてくれるボランチが抜けたことで、現状のメンバーでどう戦っていくか。注目すべきポジション。

・サイドハーフ、トップ下の選手も人数はいるが、ギリェルメ パレジがどこまで絡めるか

 サイドハーフ、トップ下は、土居、藤井、松村、仲間、須藤、新加入のギリェルメ パレジはサイドハーフでの起用か。荒木とカイキが抜けて、このポジションではギリェルメ パレジが加入したというメンバー構成となった。
 スピードが持ち味の藤井と松村、藤井は序盤は4-3-3の右ウイングのレギュラーでスタートも失速。松村はもうちょいというところ。ここは誰もがチャンスだと思っている。ギリェルメ パレジがどこまで絡めるか、ここがポイントになろうかと思うが、ポポヴィッチの起用方法に注目したい。

・FW、外国人ストライカーの補強はなし(現時点で)

 今季のFW登録のメンバーは、鈴木、知念、垣田、師岡の4名。松本遥翔くんと同様、2025シーズンに加入する徳田誉くん(鹿島ユース)も2種登録され、2024シーズンに出場できるが、これからの選手。だが、U-15、U-16、U-17日本代表の経験を持ち、日本を代表するストライカーになれるポテンシャルを秘めていると思う。どこかでリーグ戦1試合くらい出場あるんじゃないかと思いたい。
 4名の話に戻そう。現状では優磨が一番手、昨シーズン当初は知念がレギュラーを務めたが、自身の負傷や垣田の起用が増えたことで失速。その垣田は一定の活躍は見せたものの、得点数が伸びなかった。師岡に関しては、昨年の最終節の横浜FC戦で、今後が楽しみになるパフォーマンスを見せた。
 現時点で外国人ストライカーの補強がなく、優磨との2トップを組むのは誰になるか、というところになる。優磨以外で得点があまり増えなかったので、得点力アップが必要不可欠。

【最後に】

 昨年のメンバーがちょっと人数が余剰気味だったので、OUTの人数が多く、INの人数は控えめだった。もっと大胆な戦力整備が行われると思ったが、思ったより戦力の入れ替えが激しくなかった印象。
 あとは新外国人選手が、チームに溶け込めるか、という点もポイントかと思う。パク ウィジョンは同じ韓国人のスンテコーチがいるが、ブラジル国籍はギリェルメ パレジのみ、ヨシプ チャルシッチはクロアチア、同じ国籍の選手がいないので、コミュニケーションという点で気になっているが大丈夫かな。
 まずはこのメンバーで2024年を戦うことになるが、登録リストに載っていながら移籍するというのは、時々あった。特に昨年は、小田の移籍にはびっくりした。キャンプにも参加し、2023シーズンのユニフォームを着て写真撮影までしてたし。それで移籍するとは思わなかった。
 これで戦力整備は完了なのか。個人的にはまだ続報はありそうだが、明日9日からチームが始動する。ポポヴィッチ体制の下、リーグ制覇を目指すシーズンが始まる。スタート!

ヨシプ チャルシッチ、正式契約せず

 鹿島は19日、TSCバチュカ・トポラ(セルビア)より、ヨシプ チャルシッチが完全移籍加入することで合意していたが、来日後に実施したメディカルチェックで、内科検査で問題が確認されたとして、双方合意の上で正式契約を結ばないと発表した。
 率直に「まさか」という驚きとともにショック。欧州国籍の選手としては初の獲得だったチャルシッチ、チーム指導初日の挨拶や、今季の背番号4のユニフォームを着ての写真撮影にも参加し、これからという時に。鹿島公式YouTubeのコメントで、チャルシッチがいない?といった書き込みがあったんで、何かあったのかなと思っていたら、そういうことやったんやね。
 過去には2013年、2010年に鹿島ユースから昇格の八木直生がメディカルチェックで心疾患が判明し、復帰へ向けて活動していたものの、同年に現役引退。2015年には、新加入のジネイがメディカルチェックで右膝半月板の損傷が見つかり、一旦は正式契約しなかったが、5月に正式契約した。という事例はある。ジネイは負傷によるものだったが、チャルシッチの場合は内科検査ということで、検査の詳細は非公表なのでわからないが、まずは回復に努めて欲しい。
 そうなると、センターバックが本職の選手は植田、関川、津久井の3人。2011年に関しても、センターバックが本職の選手は岩政、伊野波、昌子の3人という事例はあるものの、中田浩二、青木剛がセンターバックを務めることが可能で、同年、伊野波がクロアチアへ移籍したときも、中田もしくは青木で伊野波の抜けた穴を埋めた。じゃぁ、今のメンバーでセンターバックも可能な選手は、サイドバックが本職の須貝だけか。今年の戦力整備が終わりに近づいている段階で、国内外からセンターバックが務められる選手を獲得できるのか。
 最後に、チャルシッチに関しては、まずは回復に努めてほしい。万全になったら、何らかの形で鹿島に関わってもらえたら。それが選手契約だったらうれしいけど、回復を祈ります。


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