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第631回〜第640回

本山雅志、現役引退を発表

 J1第6節の広島戦、鹿島は知念のゴールで先制も、ドウグラス ヴィエイラの2ゴールで逆転負けを喫した。試合後は容赦なくブーイングが飛んだ。その広島戦の前、ピッチ上で行われたレジェンドトークショーに本山雅志が参加し、現役引退を発表した。
 本当に「お疲れ様でした」。1998年に小笠原満男、曽ヶ端準、中田浩二らと共に入団。所謂「79年組」。2001年までは、ビスマルクがいたこともあり、出場機会は増加もスーパーサブ的な存在だったが、ビスマルクの退団により、2002年から背番号が「10」に。
 以降は主力として活躍し、2007年の最終節の清水戦で2点目となるゴールを決め、リーグ優勝に貢献。2002年のナビスコカップ以来の5年ぶりのタイトルになった10冠目のリーグ優勝、ピッチ上のインタビューで「やっと自分の背番号に星(タイトルを示す星の数)が追いついたなと」という、これまでタイトルが取れなかった苦しみからのコメント、印象的だった。
 2009年は足のコンディションの影響もあり、後半10分くらいからダニーロと交代することが多くなり、翌年以降は出場機会が減少。しかし、出場した時には、独特のリズム感によるドリブル、パスセンスで、試合の流れを変える雰囲気が漂っていて、「何かやってくれる」という期待感があった。
 2015年シーズンをもって、鹿島を退団し、ギラヴァンツ北九州へ移籍。4シーズンプレーの後、マレーシアのクランタン・ユナイテッドFCでプレー。
 中田浩二が2014年、小笠原満男が2018年、曽ヶ端準が2020年をもって引退し、79年組では最後の現役選手だった本山雅志の引退。今後はいろんなことにチャレンジしたいということで、何らかで鹿島に関わって貢献してほしい。本当にお疲れ様でした!

ここまでの得失点の傾向

 J1第9節の新潟戦、鹿島はアウェイで新潟戦に2対0で勝利し、リーグ戦の連敗を4で止めた。正直ホッとしたところもあるが、連敗が止まっただけであって、これからも勝ち続けなければならない。
 リーグ戦は勝ち点10の13位、ルヴァン杯グループステージでは、勝ち点4の最下位。リーグ戦の連敗を止めたとはいえ、ここまでの成績は、決して満足できるものではない。ここまでの戦いを見て、得点する時間帯、失点する時間帯がはっきりしている傾向がある。そこで、リーグ戦9試合、ルヴァン杯グループステージ4試合、計13試合で記録した得点と失点を見てみることにする。

得失点の傾向
※画像をクリックすると別ウインドウ(タブ)に表示されます。
※数字は分、ADDはアディショナルタイムを示す。

 こうやって傾向を見てみると、前半での得点が多く、後半40分頃から失点が目立っている。勝利した試合は、いずれも前半で得点を挙げて、そのまま逃げ切っている。今シーズンは後半終了の時間帯付近での失点が目立つ印象があったが、集計してみると、やはり多い。
 神戸戦に関しては、前半、後半にコンスタントにやられてしまって、神戸にとっては面白いようにゴールが決まっていた。余裕も感じられるような内容で、鹿島をケチョンケチョンにした。
 川崎戦や広島戦は先制しながらも、後半終了間際に立て続けの失点で、逆転負け。ルヴァン杯のアウェイ福岡戦においても、カイキのゴールで追いつくも、後半アディショナルタイムにウェリントンに勝ち越しゴールを許した。後半終了間際の失点が相次いだ。
 後半終了間際の失点が目立っているので、鹿島としては後半30分くらいまでに、できれば2点差以上がほしい。1点差だと、川崎戦と広島戦のことがあるので。ただ、これはもう「悪夢」としか言いようがないか。
 新潟戦では、布陣を4-4-2、垣田、名古、仲間の先発起用が当たった。次はホームでガンバ大阪戦、ガンバもまだ結果が出ていないが、力のある選手は多い。このガンバ大阪戦、緊急参戦を決めた。神戸戦の敗戦から、いてもたってもいられない心境になって、交通費やホテルの手配はできた。今シーズンのどこかでカシマへ行けたらと思ったが、思ったより早く参戦することになった。
 試合内容はまだまだこれからだと思うが、「新しい鹿島を創る」と明言している岩政先生、リーグ戦8ヶ月ぶりのホームでの勝利をよろしくお願いします。

火曜日から交流戦へ、ここまでの阪神を振り返る

 プロ野球は、火曜日から交流戦へ。シーズン開幕前の予想では、セ・リーグでは希望通り(笑)阪神が首位固め。パ・リーグはオリックス、ソフトバンクは予想通り上位争いをしているが、ロッテが若手の活躍などもあり、思った以上の結果を残している。
 さて、ここからは、阪神タイガースについて、ここまでを振り返ることにする。シーズン開始当初は、一時期DeNAが首位に立っていたものの、5月の阪神は絶好調で、現在は阪神が首位固めしている。交流戦が始まる前に、ここまでの阪神を振り返ることにする。

・青柳が誤算も、新戦力が活躍

 今季、青柳が自身初めての開幕投手を務め、開幕戦で白星発進。しかしその後のピッチングに精細を欠き、ここまで2勝止まりで、現在は出場選手登録を抹消され、2軍調整。
 青柳は、2019年から規定投球回数に達し、2021年と2022年は13勝をマーク。2022年は最多勝に加え、防御率、最高勝率のタイトルも獲得し、阪神のエースとして君臨してきた。しかし、現在は2軍調整。一度先発ローテーションを外れて、調整期間を少し多くとって登板も、不振を抜け出せていない。どうなんやろうか、ずっと先発ローテーションを守ってきて、長年の蓄積疲労があるのか、投球にも余裕がなく、精細なピッチングができなくなっている。いつ戻ってくるかどうか。
 その一方で、現役ドラフトで阪神に移籍した大竹、3年目の村上が活躍。大竹は無傷の6勝で防御率は0.40。村上も4勝1敗で防御率は1.47。初登板の巨人戦では、7回までパーフェクトピッチング。ここまで素晴らしい投球を見せている。

・リリーフ陣は充実も

 リリーフ陣に関しても充実。今季の守護神は湯浅が務めていたが、右腕のコンディション不良で登録抹消も、岩崎が守護神を務め、安定したピッチングを見せている。
 中継ぎ陣は、石井が腰痛による登録抹消があるが、岩貞、加治屋の活躍が光る。浜地はシーズン当初は不振で登録抹消。しかし、現在は1軍に復帰し、調子を取り戻そうとしている。昨年1試合だけの登板に終わった及川も、ここまで13試合に登板。
 岡田監督は2005年、鉄壁のリリーフ陣「JFK」を擁して、優勝に導いたが、今季はJFKのようなウィリアムス、藤川、久保田の3投手が決まって起用するのではなく、柔軟にリリーフ投手を起用しているように思う。
 確かに、リリーフ陣に関しては充実も、湯浅が1軍に復帰しているものの、これから復調していく段階、石井の復帰も待たれる。カイル・ケラーに関しては、競った場面での起用となると、やや疑問符。ビーズリーは、青柳の不振もあり、先発に転向するため、現在2軍調整。

・打線は「貧打解消」しつつあるか

 今季のここまで、概ね打線が固定されている。一時期、佐藤輝明などの不振で打順が変わることはあったが、1番から5番、8番は概ね同じ顔ぶれ。
 特に1番近本、2番中野、打率は3割をキープする中、打点が多い。近本の得点圏打率が高く、いい場面でのタイムリーが出ていて、勝負強い。ノイジーは長打を期待するタイプではなく、広角に打ち分けるタイプ。その日にヒットが出なくても、守備で貢献している。4番大山、本塁打はやや少ないものの、打点は稼いでいる。5番の佐藤は一時期不振も、ようやく復調してきた。開幕は8番小幡だったが、途中で木浪がショートのポジションを奪取し、現在は規定打席にも到達している。

・6番ライトと7番捕手

 今の阪神で固定されていないところは6番ライトと7番捕手。開幕は新人の森下が起用も、プロの壁にぶち当たり、2軍調整。現在は1軍に復帰している。ライトには森下、井上、ミエセスなど起用されているが、現状ここが固定されていない。
 そして、キャッチャーも。当初は梅野を正捕手として指名した岡田監督、開幕戦で1本ヒットは出たものの、その後は極度の打撃不振。打率が1割を切ったことも。梅野はプロ10年目になるが、プロ入り前は「打てる捕手」として評判が高かった。2018年から2020年は2割6分前後の打率だったものの、2021年は.225、2022年は.228にとどまっている。
 梅野の不振や、投手との相性というところで、坂本の起用が増えた。起用当初は、課題だった打撃が好調に加え、坂本がマスクを被った日の勝率がよい。現在は打率は3割を切っているが、大竹や村上などの場合は、坂本がマスクを被っている。
 当初は梅野を正捕手として指名していた岡田監督だが、坂本の調子がいいので、現状は固定せず、投手の相性などによって、柔軟に起用してもいいと思うが、岡田監督自身はどう思っているだろうか。

・守備は改善傾向

 昨年まで5年連続でリーグ最多の失策数を記録した阪神。矢野前監督、昨年は佐藤輝や大山など、複数のポジションを起用してきた。今年の岡田監督はポジションを固定。ファーストを大山、サードを佐藤輝に固定。そして、スローイングに難があった中野をセカンドにコンバート。
 ポジションを固定したこの対策が当たっている。確かにエラーはあるものの、昨年とは違い、好守を発揮。セカンドにコンバートされた中野も、好守を見せている。守備に難があるのではないかと思われたミエセスも、大きな体にもかかわらず、ハッスルプレーで、ファンを沸かせている。
 プロに入ってから、もしくは数年経ってから内野手から外野手に転向して、能力がさらに開花した松井秀喜、福留孝介などがいる。佐藤輝もそういう方向になっていくのかなと思ったが、本職のサードに固定された佐藤輝、これで当面はサードのままやね。

・「強いチーム」の勝ち方ができている

 5月に入って絶好調の阪神、2位DeNAとのゲーム差を引き離し、首位固めへという段階になっている。「強いチーム」の定義は人それぞれ、いろいろとあると思うが、5月の阪神に関しては、それができているのではないかと思う。
 特に、直近のヤクルト戦(神宮)での3タテ、ヤクルトが現在不調ということはあるものの、好調のチームの典型的な勝ち方をしている。24日のヤクルト戦では、9回2アウトランナーなし、1点ビハインド、3番ノイジーがライトへの飛球を、並木が後逸。そこからチャンスが広がって、佐藤輝が逆転タイムリー2ベース。さらに翌日も、延長10回表2アウトランナーなしからチャンスが広がり、大山の勝ち越し四球、佐藤輝が走者一掃のタイムリー2ベースを打ち、試合を決定付けた。
 強いチームって、勝負どころで打点を稼ぎ、相手のミスは逃さない、さらに運も引き寄せる力も持っているように思う。後逸してしまった並木は、照明が目に入ったらしいが、こういった運、今年は特に2アウトランナーなしからの得点というのが多い印象。

【最後に】

 投手陣では、青柳の誤算があったものの、巨人戦で桐敷のプロ初勝利や、大竹、村上らが活躍。抑えの湯浅が右腕のコンディション不良で登録抹消も、岩崎が抑えを務め、中継ぎ陣も、誰かが不振や故障があっても、カバーできている投手陣。今のところ大きな懸念点はないように思う。
 打線においては、本塁打はやや少ないものの、勝負強い打撃で、打点を稼いでいる。守備も改善傾向。現状では、6番ライトのポジションは誰が一歩リードしていくか、そして捕手の起用方法といったところが注目。
 リリーフ投手の今の起用方法からすると、JFKのような起用方法ではなく、その日の試合状況やリリーフ投手のコンディションなどに応じて、柔軟に起用しそう。27日の巨人戦では、抑えの岩崎は投げさせないよう、浜地、及川、加治屋で9回を切り抜けた。岩崎は、毎年どこかで「プチスランプ」があったので、極力投げすぎないよう、うまく起用したいところ。
 これから交流戦が始まるが、交流戦前まで好調も、交流戦で調子を落として、交流戦後のリーグ戦も引きずることもある。今のところ誤算といえるものは少ないものの、どこかで調子を落とすこともあるし、今の絶好調はいつまでも続かない。調子の波をできるだけ小さくしたい。リーグ戦は約3分の1が消化しただけなので、これからだと思うが、18年ぶりのアレを期待したい。

Jリーグ秋春制、本格的に検討

 現在は2月中旬開幕、12月上旬に閉幕する「春秋制」を採用しているJリーグ、欧州主要リーグは、7月末or8月開幕および5月末or6月上旬閉幕の「秋春制」、Jリーグも秋春制へのシーズン移行に関して、今年に入って本格的な検討が始まっている。早ければ2026年からの移行の可能性があるとのこと。年内に結論を出す方向。
 さて、この秋春制へのシーズン移行、これまでも何度も話し合われているが、いずれも秋春制へは「移行しない」と結論づけている。ACLが今年から秋春制へ移行したこともあり、今年再び議論することになった。
 秋春制へのメリットとデメリット、改めて、以下に挙げていくが、これまでも何度も挙げられているものであり、移行ができない現状がある。

  • 春秋制(現行)の問題
    • シーズンオフに海外移籍する場合、欧州リーグ戦途中からの出場となる
    • 欧州リーグ開幕に合わせて移籍すると、シーズン途中でJクラブを退団することに
    • 夏場の暑い日に試合をするため、コンディション(体力)面の懸念
    • ACLが秋春制になったことで、リーグ序盤に決勝T、リーグ終盤に予選というミスマッチ
      今回新たに問題になった事案
    • オフシーズンの1月と2月に国際試合が組まれると、オフが短くなる  など
  • 秋春制のメリット
    • 海外移籍がスムーズになる
    • 夏場の暑い日の試合を極力避けられる
    • ACLの日程に合う
    • オフシーズンが欧州リーグと同じのため、体作り(調整)がスムーズ  など
  • 秋春制の問題点(デメリット)
    • 札幌、山形、新潟などの豪雪地域で冬に試合があっては、雪かきなどが大変
    • 豪雪地域へのアクセス(特に車やバスでのアクセス、雪道になっては危険)
    • 冬に試合があるため、観客減につながるのでは?との声
    • Jリーグだけの問題ではなく、下部組織も見直す必要がある
    • 国内3大タイトル(Jリーグ、YBCルヴァンカップ、天皇杯)の日程、過密日程にならないか?
    • 新人選手の受入をどうするか(シーズン途中となるが)  など

 ちなみに俺自身、秋春制へのシーズン移行が賛成か反対か、今も変わらず「反対」。ただ、メリットに関しては理解できる。選手のことを考えると、そのほうがスムーズになるが、やっぱりデメリットへの解決策がない限り、賛成することはできない。じゃぁ、なぜ、ここまで反対なのかを挙げていく。

・雪問題

 ネットで最も取り沙汰されているので、詳しくは述べないが、秋春制への最も懸念している事項としては、もちろん雪問題になる。これはずっと言われている。シーズン移行案では、1月にウインターブレイクを設けることが検討されているが、札幌、山形、新潟など、12月や3月上旬くらいは雪が降るため、ホーム開催は難しい。
 賛成派は、そのクラブは雪が降る期間は、アウェイにすればいいんじゃないか?とか簡単に言う。それ以外のクラブがホームとして受け入れることになり、冬に試合があるため、コアサポはともかく、家族連れ等のライト層が観戦しに行くか?ということになり、観客減につながる。ホーム主催クラブの収入が減る。

・新人選手の受け入れ

 日本の卒業シーズンは3月、なので、厳密には少しずれるが、現行の春秋制のシーズン開始に合う。秋春制に移行していると、卒業のタイミングでは、リーグ終盤戦という状況になる。次のシーズンまで、新人選手はどう過ごせばいいのか。ここも議論の対象となる。
 ただ、日本でも、バレーボールVリーグなど秋春制を採用しているスポーツはある。そして、女子プロサッカーリーグの「WEリーグ」は秋春制。VリーグやWEリーグとJリーグとで単純に比較することはできないが、サッカーに限らず、秋春制を採用しているスポーツからヒントを得るということはできるかも知れないが、Jリーグに合った結論が出せるか。

・シーズン移行は、Jリーグだけの問題ではない

 日本サッカーは、Jリーグ(J1、J2、J3)、アマチュア最高峰の日本フットボールリーグ(JFL)、さらに地域リーグ、都道府県リーグとピラミッド型のリーグ構成になっている。シーズン終了後、リーグ間での昇格と降格があるため、Jリーグだけ秋春制にするのは不可能。
 現在、女子サッカーでは、プロサッカーリーグの「WEリーグ」は秋春制に踏み切っていて、その下位のなでしこリーグは春秋制。現在はWEリーグとなでしこリーグとの入れ替えは行っていない。今後、女子サッカークラブの数が増加した場合、将来的には入れ替えがある可能性がある。
 2023-2024シーズンから、セレッソ大阪ヤンマーレディースがWEリーグに参入する。春秋制のなでしこリーグを戦ってきた後、WEリーグ開幕まではかなりの期間がある。公式HPを見てみると、練習試合などの活動はしている模様。これも初めてのことなので、これでよいかどうかはわからない。参入に関しては、セレッソ大阪ヤンマーレディースの事例があるが、女子に関しても今後、昇格と降格はどうするのか。

・日程面は大丈夫か?

 WEリーグは、2023-2024シーズンから12クラブ。Jリーグは2024年シーズンから、J1、J2、J3とも各20クラブ構成になる。Jリーグの案では、1月はウインターブレイクを設けるという案があるが、20クラブになり、さらに日程が詰まってしまうのではないかと。
 国内サッカーはJリーグ、YBCルヴァンカップ、天皇杯の3つ。さらに成績に応じて、ACLを戦うクラブも。ルヴァンカップは、来年から全Jクラブがノックアウト方式で対戦することが決まっている。これらもシーズン移行を踏まえて、日程に余裕があるかどうか、ちゃんとシミュレーションしておかないといけない。

【まとめ】

 ACLが秋春制に移行したこともきっかけで、再び議論することになった秋春制への移行。Jリーグが主導で議論するというより、日本サッカー協会会長の田嶋会長が主導で動いてくれと。メリットばっかり訴えるのではなく、反対派が主張しているデメリットを全部解決するのは田嶋会長の役目。
 でも、今回ばかりは、何となく秋春制へ踏み切るのか?と思えてしまうのは俺だけかな。前回の議論は2017年だったと思うが、どこまで話し合いが進んでいたのか。そして、今回はシーズン移行ができる可能性があるのか。これからさらに議論が加速すると思うが、もしも、秋春制へシーズン移行を踏み切るのであれば、野々村チェアマンではなく、田嶋会長がちゃんと説明してほしい。

鹿島、JFA審判委員会へ抗議文提出

 鹿島は3日、日本サッカー協会(JFA)審判委員会へ、抗議文を提出したと発表した。J1リーグ第13節の名古屋戦において、主審を威嚇する行為を行った選手を実名で、JFA審判委員会がコメントを発出した。
 ネット上で、抗議文を送った行為を批判したり、「鹿島は身内に甘いな」とか、「主審を威嚇する行為をしたからだろ?」などといったコメントがたくさん集まっているが、クラブの抗議文の主旨を理解しろ!と言いたい。要は、クラブや本人への通達はスルーして、問題視するコメントを実名を挙げて、各メディア等に拡散されたことが問題であって、本人の行為やレフェリングのあり方とかが主旨ではない。
 まず、確かに、本人のとった行為そのものは容認できるものではない。クラブも名古屋戦の試合後、本人に厳重注意している。厳重注意したら終わりではないが、クラブも対応自体は行っている。
 行動を問題視するJFA審判委員会からのコメントの内容自体は、確かに間違ってはいないと思った。しかし、まさか、クラブや本人への通達をしていなかったとは思わなかった。先ほども述べているが、本人のとった行為そのものはNG。そういう事象が発生したのであれば、まずは、JFA審判委員会とクラブや本人との間で、今後このようなことがないように、お互いが共有することが筋であり、これをスルーした格好。なので、許可なく勝手に写真をSNSに掲載する、といった例えが近いのかなと。
 JFA審判委員会と鹿島との間で、お互いが共有できていれば、一旦は当件はクローズだった可能性がある。先ほども述べているが、本人のとった行為そのものや、レフェリングのことを争点にするものではなく、JFA審判委員会とクラブとの連携、今になってJFA審判委員会がコメントを実名で発出したこと、これが争点。
 抗議文の主旨を理解せずに、鹿島や当該選手、レフェリングのことを批判するといった的外れなコメントがたくさん書き込まれていることに、非常に残念。

Jリーグ公式ホームページの誤表示について

 6月7日、Jリーグは、システム障害により、公式HPおいて誤った情報が表示される事象が発生したと発表した。天皇杯の試合結果の誤表示など、一部に影響があったとのこと。これについて、Jリーグは原因を「Jリーグ公式ホームページの不具合の改修を行う際に、誤ってテスト環境用のデータを本番環境に取り込んでしまったため」としている。
 これについてだが、鹿島vsHonda FCの試合結果が0対1でHonda FCの勝利、17時15分キックオフ、鈴木優磨の退場、得点者が現在は奈良クラブ所属の浅川隼人など、ネット上では、2011年に東海テレビの番組内で発生した「怪しいお米セシウムさん」に匹敵する悪ふざけではないか?など、Jリーグを批判。
 6月10日午前、この事象が発生したことに対しての続報が入った。鹿島の小泉社長はJリーグに抗議するということで、ここは水面下でやりとりは行われていたと思いたい。システム上のトラブルということで、現役のエンジニアをしている俺からすると、ある意味頭が痛い・・・。ネット上では、いろいろと批判コメントが書かれているが、これについて、俺自身の見解を述べてみることにする。

・本番データの取扱いが容易にできた?

 最も、一番の焦点は「なぜテスト環境用のデータを本番環境に取り込んでしまったか」になると思う。IT関係の仕事は、今回のJリーグ公式HPに限らず、あらゆるシステムにおいて、テスト環境と本番環境を用意しているところが殆ど。職場によっては、用途に応じてテスト環境を複数用意しているところも。
 実際、1台のパソコン操作で、テスト環境と本番環境のデータベースを操作することは容易にできる。しかし、プログラム修正を行うエンジニアのパソコンは、テスト環境しかアクセスできないようにし、プログラムの本番リリースやデータ修正は、セキュリティが確保された部屋で、一部のエンジニアだけが実施するなどの体制を取ることも可能なはず。
 Jリーグのシステム部門として、再発防止策の一つとして「本番環境に接続できる者を限定する運用」、そうやね、基本的にはそうするのがミス低減になる。
 Jリーグのシステム部門は、どうやら開発環境とテスト環境、所謂テストできる環境としては2つ用意しているってことか。そのテスト環境がめちゃくちゃやったってことやね。それで、データを日次処理で同期を取ろうってことか。同期だけではなく、テスト環境でテストした後の後始末や確認も必要じゃないかな。

・テスト環境に実名が入っていいのか?

 確かに、鹿島vsHonda FCの試合結果の誤表示に関して、めちゃくちゃな表示がされていて、「悪ふざけなのか?」と思えてしまうような内容に見える。一部のSNSの声では「選手A」とか「選手B」とかを使うべきでは?という声もある。
 テスト環境で実名を使うことについてだが、必ずしも実名を使ってはいけないというのはない。確かに、テスト環境のデータにおいては、実名ではなく「選手A」だったり、「鈴***」のように、先頭以外を「*」など、データをマスキングすることはできるので、このようなマスキングされたテスト環境の下で、プログラム修正をすることが望ましいケースもある。
 テストにおいて、実名を使ってもよいのではないかというケースは「テストと本番との照合」や「ユーザーテスト(総合テスト)」などが挙げられる。すでに完成しているシステムやアプリにおいて、新システムとして作り直すことはよくある。新システム独自の機能もあれば、現行システムの業務をほぼそのまま新システムでも動かせるようにする。その際、動作確認とともに、本番データとの照合を行って、正しく移行できているかを確認することもある。
 詳しく述べないが、IT関係のテストとしては、単体テスト、結合テスト、総合テスト、ユーザーテストなどといった、一連の工程におけるテストをする。総合テストやユーザーテストとなると、要件通り正しく動作するかを検証するため、実データを使用することもある。
 なので、実名を使ってテストすること自体、100%誤りではない。システムによっては、実名が流出することが大きな問題に繋がるため、本番データ等の取扱いには、厳重に注意しなければならない。

・悪ふざけなのか?

 先ほども述べたが、確かに、鹿島vsHonda FCの試合結果の誤表示に関して、めちゃくちゃな表示がされていて、「悪ふざけなのか?」と思えてしまうような内容に見える。じゃぁ、実際、悪ふざけなのか?
 これに関しては、悪ふざけであるかは判断不可能。今回は不具合修正の課程で、このような状況になったが、どんな不具合に対して、何をテストしたかったのか、エンジニアのスキル(スキルといっても、IT技術としてのスキルや、サッカーの知識など)などにもよる。
 まぁ、不具合修正に対して、修正に必要なデータを用意した結果が、このような表示になったんだと思う。テストの課程において、警告や退場が正しく表示されるかのテストを行うはずなので、「鈴木優磨の退場」だけを見て悪ふざけとは判断すべきではない。
 サイトのHTMLソースを見る限り、「時間+選手名+ステータス(警告や退場、得点など)」といった感じで組み合わせているんでしょう。悪ふざけである可能性があるとしたら、試合速報におけるフリーの文章でしょう。そのフリー文章が不適切であれば、悪ふざけとして判断できる可能性はある。
 やってはいけないことは、テストせずに本番リリースすること。これに関しては論外。選手Aとして表示させようが、実名を使って表示させようが、必ずテストをして、本番リリースしなければならない。

【まとめ】

 Jリーグには、この再発防止策で今後正しく運用されるか、その後の効果の検証も正しく行っていただきたい。それがミス軽減に繋がります。
 そして、ネット上の書き込みも問題がある。そもそもの原因は、開発環境に対してテスト環境のデータを取り込もうとしたところを、誤って本番環境に取り込んでしまったこと。実名使用や「鈴木優磨の退場」の表記だけをみて、悪ふざけとは判断できないなと。じゃぁ、他の選手やったらええの?
 まぁ、今回に関しては「怪しいお米セシウムさん」のような極めて不適切な表記や、悪ふざけではないことがわかった。不具合のないシステムはなかなかないし、不具合があれば、デグレードを起こさないように確実に修正して、システムの品質を高めてほしい。というか、俺もそうやね・・・。

加藤未唯の失格騒動

 テニスの全仏オープン、女子ダブルス3回戦が行われた6月4日、加藤未唯&アルディラ・スーチャディ組が3回戦に臨んでいたが、加藤が自陣のコートにあったボールを外に出そうとしたボールが、ボールガールに当たってしまい、加藤に警告を宣告。しかし、対戦相手のマリエ・ブズコバ&サラ・ソリベストルモが主審に抗議し、判定が覆って失格となった。この失格騒動は今も物議を呼んでいる。
 俺自身、テニスに関しては、あまりわからない。大坂なおみ、錦織圭、ジョコビッチなど、選手に関しては知っているところはあるが、テレビで見たりとかはあまりない。
 この騒動を見た時、故意でボールガールにぶつけたわけじゃないのに、何で失格に判定が覆るんだろうか、という思いしかなかった。ネットやテレビでは、加藤を擁護するコメントが相次ぎ、対戦相手や主審などには非難の声が続出。失格にすることはおかしいと思うのは、多くの人が思うこと。俺もそう。騒動から約一週間が経って、騒動を振り返ってみようと思う。

・ルール通り失格なら理解するけど

 先週金曜日の毎日新聞のネット記事だが、「審判の対応は問題なし」との見解を示した記事を見た。日本テニス協会(JTA)審判委員会の委員長を務める岡村徳之氏によると、まず、結論としては「審判団はルールにのっとって対応した」というもの。
 失格となりえる4つの条件として、「直接危害を加えた場合」「言葉による侮辱行為を行った場合」「ボールが当たったか当たらなかったかに関わらず、故意に危険なボールを打ち込んだ場合」「故意ではないが、打ち込んだボールが当たるなど危険な行為を行った場合」の4つとのことで、4つ目の「危険な行為」に相当するとのこと。そして、故意か故意じゃないかは判断基準には当たらないとのこと。
 そう考えると、ルール通りということになるかも知れないが、じゃぁ、やはり思うのが、一度は警告としながらも、対戦相手の抗議によって判定が覆っちゃ、審判はどのように「危険な行為」と判断したのか。「危険な行為」の定義がね。加藤自身は、軽く打ち返しただけなので、そこまで危険だったのか。
 じゃぁ、何で混合ダブルスは出場できたの?失格となってしまったら、混合ダブルスも出られないという記事をみたぞ!主催者側の判断なのかも知れんが、ルール通りになってないやん。と、多くの声が挙がっていることは何とも思わんのか?

・抗議する内容にもよるが、ほくそ笑んだ表情は何?

 対戦相手のマリエ・ブズコバ&サラ・ソリベストルモには、かなりの批判が集まっている。テニスにおいて、抗議そのものがよく行われているものなのか、そのあたりはわからないが、おかしいことを主張すること自体は悪いことではない。問題は、どう主張したのか。
 ネット上では「失格でしょ。わざとじゃない? 彼女は泣いているじゃない!」「血が出ているわよ。よく見てあげて」などという抗議内容との報道がある。これを見て、対戦相手の発言に問題があるのは「わざとじゃない?」だと思う。俺から一言「どこが?」。
 そして、抗議した直後なのか、加藤組の失格が決まった直後なのか、それは定かではないが、対戦相手がほくそ笑んだ表情がネットに拡散。もしも失格を喜んでいる表情なのであれば、これは非難されるのは当然。このほくそ笑んだ表情について、対戦相手からの言及はなさそうだが、言及したとしても、納得する回答ができるのかは疑問に思う。

・「無責任」な大会ディレクターなのか?

 全仏オープンの大会ディレクターはアメリ・モレスモ氏のようで。この大会の責任者ということかな。このモレスモ氏の発言にも非難の声が。
 「私はあの判断が良いか、悪いかをコメントするつもりはありません。」「決定はスーパーバイザーと審判によって下されたもの」って、何とも無責任なコメント。「ボールガールがあんなに長い間泣いているのを見ると、何らかの決断をしなければならない。それが事実。グランドスラムのルールブックに従えば、それはかなり明確だ」と、大会規定通りと指摘。何を言っているのか・・・。
 一連の騒動になっている「判定が変わった理由」「混合ダブルスに出場できた理由」「ボールガールが泣いてたから、何らかの決断?」「ボールガールが泣いたら失格なの?」全くもって説明ができていない。大会責任者がこんなんでええの?

【まとめ】

 大会ディレクターはダメダメ。こんな矛盾したコメントを発するようでは、さすがに解任の声が出てもおかしくない。ちゃんと説明するのが、大会責任者の役目。
 ルール規定には100%はないと思う。何らかの影響によっては、ルールの改定を検討して、必要に応じてルールを改定して、大会ルールの精度を高めていけばいいと思う。テニス界では、映像による判定ができる場面は限られているみたいだが、やはりルールの改定が必要じゃないかな。
 このような不可解な失格となってしまい、気持ちが落ち込んでいるところで、混合ダブルスに出場でき、さらに優勝という素晴らしい結果、加藤選手、本当におめでとうございます!!同じ京都府民、日本人として嬉しく思う。大あっぱれ!です。
 まだまだこの騒動は続きそう。俺自身は一旦、これ以上のコメントは控えるが、テニス界だけではなく、正しいルールのもとで、選手の熱い戦い、感動を見たいもの。

Jリーグは後半戦へ、J1のここまでを「簡単な一言」で評価する

 国内のサッカーは、J1リーグ戦は一部のチームを除き、ちょうど半分を消化。ルヴァン杯はグループステージが終了。天皇杯は一部のチームを除き、2回戦まで終了した。
 鹿島は、ルヴァン杯グループステージは何とか突破し、プライムステージ進出が決定した。天皇杯は「Jの門番」と呼ばれる難敵Honda FCに勝利し、3回戦進出。そして、J1リーグ戦は暫定7位で後半戦となる。
 J1リーグ戦は折り返し、そしてルヴァン杯は今後、プライムステージへと進む。天皇杯は来月に3回戦が予定されている。ここまでの戦いで、うまくいったチームもあれば、思わぬ苦戦を強いられたチームもあったが、今後はさらに混戦になるかも知れない。ここで一旦、簡単に振り返ろう。これまでは、シーズン終了後に「簡単な一言」で評価していたが、今年はちょうど折り返しのタイミングで、J1クラブを「簡単な一言」で振り返ってみて、今後を占っていくことにする。

  • やはり来た・・・横浜F・マリノス
  • 2年目の長谷川監督・・・名古屋グランパス
  • 首位快走も、これからか・・・ヴィッセル神戸
  • 最も不気味かも・・・浦和レッズ
  • あれっ?まだちょっと不安定?・・・サンフレッチェ広島
  • 優勝争いへ手応えか・・・セレッソ大阪
  • 一時はヤバかったが・・・鹿島アントラーズ
  • 得点、失点ともに多く・・・北海道コンサドーレ札幌
  • こんなはずではない・・・川崎フロンターレ
  • 今年もしぶとい・・・サガン鳥栖
  • やはり得点力がほしいか・・・アビスパ福岡
  • 監督交代・・・FC東京
  • 徐々に研究されてきたか・・・アルビレックス新潟
  • ポテンシャルは間違いなくある・・・京都サンガF.C.
  • おっ?3連勝・・・ガンバ大阪
  • やはり3-4-2-1か・・・横浜FC
  • 悪い試合はないと思うが・・・湘南ベルマーレ
  • 監督交代も好転しないのか・・・柏レイソル

・神戸は首位快走も、やはりマリノスが来た

 今季の前半戦は、神戸が首位を快走した。前年は残留争いに巻き込まれただけに、神戸の首位快走は予想していなかった。強度を求める戦い方に舵を切り、これが当たった。イニエスタが7月1日の札幌戦を最後に退団するが、この戦い方によって、イニエスタの出場機会は減っていたので、今後それほど大きな影響はないと思われる。
 そして、暫定トップに立ったのが、昨年の王者マリノス。まぁ「やっぱり来たか」という印象。これまでの戦い方に円熟味が増して、誰が出ようとも活躍している。マスカット監督がセルティックへ?というのが報じられているが、これは信憑性は・・・、ってとこか。
 暫定2位につけている名古屋、長谷川健太監督は2年目に強い。これまで指揮した清水では1年目15位から2年目は4位、G大阪で2年目は3冠、FC東京で2年目は優勝争い、昨年から指揮している名古屋でも現在暫定2位と、やはり2年目に強いのか?というところを見せている。元々の堅守に加え、永井謙佑、マテウス、今季期限付きで加入のキャスパー ユンカーの強力な前線3人を擁して、暫定2位につけている。

・下馬評はよかったが、一時期苦しんだ

 現在は中位にいる鹿島と川崎。サッカー評論家や記者の順位予想も、この2チームは上位に来ると予想していた人も多かったと思う。しかし、一時期かなり低迷してしまっただけに、今の順位に納得はいかない。
 鹿島のことを語ると止まらないが、まぁ、やっぱり4連敗したときは、岩政先生解任かも?と思った。ホーム神戸戦の大敗、今の2チームの状態がそのまま出た。序盤は4-1-2-3の布陣で臨むも、新潟戦から垣田、仲間、名古を起用しての4-4-2にしてから5連勝を含め負けなし。ようやく手応えを掴み始めたか。
 そして川崎は何と言っても怪我人が多すぎた。谷口がカタールへ移籍したのは大きいが、ジェジエウ、車屋、山村など、センターバックができる選手の離脱が響いた。センターバック陣の負傷離脱が相次ぎ、ジェフ千葉に期限付き移籍していた田邉秀斗を復帰させ、その田邉までもが負傷離脱。攻撃陣でもマルシーニョやレアンドロ ダミアンらの離脱もあり、レンタルバックの宮代が孤軍奮闘中。ただ、怪我人も徐々に復帰し、徐々に順位を上げてきているので、今後に注目したい。

・両大阪勢はこれからか

 暫定6位につけるセレッソ大阪、暫定15位のガンバ大阪、この両大阪勢が今後かみ合ってくるか注目したい。
 セレッソは前節の神戸戦、先制するもすぐに追いつかれたが、試合終了間際、前川のミスを誘発し、北野が勝ち越しゴールを決め、勝利した。直近5試合で4勝1敗、ルヴァン杯は敗退してしまったが、リーグ戦での調子は上向き。神戸に勝利したその勢いを、後半戦に持っていきたいところ。
 一時は最下位に低迷し、浦和サポーターから民度の低いヤジ「J2大阪!J2大阪!」をコールされたガンバ、直近のリーグ戦では3連勝で、少し手応えを感じてきたか。今季のJ1は降格枠は1だけなので、降格枠がこれまで通り3だったら、ポヤトス監督解任もあったと思うが、我慢してきたことが実を結び始めてきたかも知れない。

・監督交代が吉と出るか

 今季のJ1で、監督交代に踏み切ったのが柏とFC東京。柏はネルシーニョから井原正巳へ監督交代。井原監督になっても、まだ結果に結び付いていない。勝てたと思ったマリノス戦も悪夢の逆転負けを喫した。監督を変えたからといって、すぐに結果に結び付くとは限らないが、そろそろ勝利がほしいところ。
 そしてFC東京も監督交代。今年途中までJ2山形の指揮官だったピーター クラモフスキー氏が監督に就任。2019年、マリノスを優勝に導いたポステコグルー監督の下、ヘッドコーチとして支えた。この時から4-2-1-3の布陣のイメージがあるが、FC東京ではどういう戦い方をするか。後半戦に注目。

【まとめ】

 今季のJ1の前半戦を振り返った。マリノスが予想通り上位に顔を出し、名古屋も2位につける。最も不気味なのは浦和だと思う。開幕2連敗も、一気に回復。得点がちょっと少ないかなと思うが、鉄壁のセンターバックがいるだけに、大崩れはしないと思う。
 さて、鹿島は後半戦、ガンバ大阪と対戦する。ホームでは大勝したが、その当時のガンバではない。岩政先生も当然理解しているところだと思う。ガンバはジェバリ、鹿島はピトゥカがそれぞれ出場停止なのは痛いが、状態が上がってきたチーム同士なので、鹿島としてはホームのことは忘れよう。
 一部のチームは1試合消化が少ないが、マリノス、名古屋、神戸は、これからも上位争いをするやろう。浦和も不気味。これから一気に上位を窺うチームもあれば、徐々に低迷していくチームも出てくるかも知れない。これから折り返し、最後はどこが優勝するか、これからも目が離せない。

交流戦終了、ここまでのプロ野球を「簡単な一言」で評価する

 今季のプロ野球のセ・パ交流戦が終了した。金曜日からは、それぞれのリーグ戦に戻って、優勝を目指す。最後まで交流戦優勝がわからない大混戦になった。以前はパ・リーグのチームが上位を占めた年が多かったが、近年はセ・リーグのチームも頑張っている。
 交流戦前まで絶好調だった阪神、交流戦で調子を落とした。所謂「交流戦あるある」で、これまでも交流戦前は好調で、交流戦で調子を落とすケースはよくあったこと。と言ってられないかも知れない・・・。
 交流戦が終わって、金曜日からは、それぞれのリーグ戦に戻って戦うわけだが、まずは、今季のプロ野球のここまでを振り返ってみることにする。前回のように「簡単な一言」で評価し、今後を占ってみることにする。

  • 交流戦前までは好調も暗雲・・・阪神タイガース
  • 投打好調キープ・・・横浜DeNAベイスターズ
  • ようやくかみ合ってきた・・・読売ジャイアンツ
  • 新井さん、けっこうやるやん・・・広島東洋カープ
  • まさか・・・東京ヤクルトスワローズ
  • 打線が寂しい・・・中日ドラゴンズ
  • やっぱり力あるねぇ・・・オリックスバファローズ
  • 選手層は厚いんだから・・・福岡ソフトバンクホークス
  • 予想以上・・・千葉ロッテマリーンズ
  • ポテンシャルは一級品・・・北海道日本ハムファイターズ
  • 打撃不振・・・東北楽天ゴールデンイーグルス
  • さすがにキツいよぉ・・・埼玉西武ライオンズ

・ちょっと危ない阪神

 先ほども述べているが、交流戦までは好調だった阪神、しかし、交流戦では7勝10敗1分に終わった。阪神のことはたくさん語りたいが、なるべく要約するけど、投打とも陰りが見え始めてきた。
 投手陣では特にリリーフ陣。湯浅の調子が戻らず、オリックスの杉本に特大ホームランを打たれた時には、さすがに厳しいと思った。ソフトバンク戦では、あと一球で勝利のところ、岩崎が中村晃に打たれ、逆転負け。交流戦最後の試合も、及川と浜地が揃って打たれ、2軍調整決定。
 打線においても、ノイジーがいまいち調子が上がらない。佐藤輝明は復調してきたかなと思ったら、まだまだ。概ね固定されてきた打線も、ノイジー先発落ち、佐藤輝明が6番や先発落ち。ミエセスは起用してみないとわからない。打線のやりくりも大変になってきた。ただ、2年目の前川右京が頭角を現しつつある。まだ荒削りだが、手応えを掴みつつある。

・調子を上げそう、DeNA、巨人

 DeNAに関しては、プロ野球解説者などからも、優勝を予想する解説者もいる。開幕は阪神に3連敗を喫するも、調子を上げ、一時は首位に立った。途中で阪神が首位に立ったが、ここまで2位をキープしている。
 元々打線には力があり、牧は打点トップ、宮崎も打点2位につけ、打率ではダントツのトップ。佐野の打率が意外に低いが、チームを牽引している選手のひとり。そして、関根が才能開花の兆しを見せている。
 投手陣においても、エース今永を筆頭に、バウアー、石田、ガセルマン、今季完全復活の兆しの東、出遅れていた大貫も先発ローテに復帰。リリーフ陣の伊勢、エスコバー、山ア康晃。エスコバーは一時期調子を落としたが、復調気配か。山ア康晃は時より「あれっ?」というところはあるが、守護神の役割は果たしている。
 巨人はこれから不気味な存在になるかも。打線では坂本らの極度の不振などもあり、最下位に低迷した時期もあったが、その坂本がかなり復調、4番岡本はここまで17本塁打で、リーグトップ。ただ、先発ローテのコマがやや足りないか。戸郷は役割を果たすも、菅野が出遅れて、ここまで1勝止まり。
 DeNAは元々打線が活発なチームで、今年の戦力は投打とも揃っているだけに、今後が怖い。巨人は総合力のあるチームだが、投打ともベテラン選手がやや多く、世代交代もしていく必要がある。投手では横川、打者では秋広が伸びてきているので、ちょっと怖い存在になりそう。

・大誤算、ヤクルト

 まずは広島、新井さん、ごめんなさい、俺自身の順位予想は最下位を予想してました・・・。打線の軸というところではわかりづらいけど、嫌らしい打者が多いかなという印象がある。投手では床田に安定感がある。守護神では栗林が不調も、矢崎がカバーしている。リリーフ陣には速い球を投げる投手も多く、ここまでよく奮闘している。
 そして、リーグ2連覇中のヤクルトがここまで中日と同率のまさかの5位。昨年の3冠王の村神様、シーズン開始からの大不振からは抜け出したものの、好不調の波がまだあるかなと。ただ、投打とも力はあるので、いずれはAクラスに顔を出す可能性はある。
 中日に関しては、投手陣においてはチーム防御率2点台も、やっぱり打線が寂しい。石川昂弥が今年打線の軸になりそうな時期もあったが、調子は下降気味。ただ、その中で、現役ドラフトで中日に移籍した細川成也が才能開花の兆し。打撃3部門でチームトップの成績。元々は長打力が持ち味の選手だが、本塁打も出始めてきた。すごく楽しみな選手に成長してきている。

・力があるオリックス、ソフトバンク

 今季もオリックスとソフトバンクの一騎打ちになるのかなと予想していたが、やはりオリックスとソフトバンクは、ここまで上位をキープしている。
 吉田正尚の抜けたオリックス、FA移籍加入の森友哉の加入は大きかったね。投手陣も層が厚い。エース山本由伸は相変わらず素晴らしいし、宮城もここまで6勝。そして、1軍初登板が開幕投手という山下舜平大がここまで6勝を挙げている。投打において層の厚みが加わったオリックスは強い。
 ソフトバンクも2位につけている。千賀が抜けて、投手陣がどうなるかと思った。これまで守護神を務めた森、中継ぎだった藤井がそれぞれ先発転向、藤井はここまで5勝を挙げている一方で、森はまだ3試合の先発登板にとどまっている。守護神を担っていた投手の先発転向、これってなかなか成功しない印象だったが、森に関してはまだその判断はできない。
 打線においては、昨年頭角を現した三森と野村勇が苦しんでいる中、昨年左膝の大けがでほぼシーズンを棒に振った栗原が復活。FA移籍の近藤も、打率は3割は切っているが、全試合出場中。その打線にさらに厚みを加えるため、デスパイネを再獲得。というか、他の外国人野手が誤算か。

・ポテンシャルの高いロッテ、日本ハム

 ロッテと日本ハム、この2チームはポテンシャルの高い選手が多い印象がある。
 まずはロッテ、投手陣においては佐々木朗希、小島、トミー・ジョン手術からの完全復活への年となる種市、西野など先発投手に、抑えの益田が今年は安定。西野は一時期守護神を担い、先発転向に挑戦も、なかなかうまくいかなかったが、今年ようやく先発で結果が出てきた。
 打線においては、ポランコがもうちょいというところだが、藤原、安田、山口など若い選手のポテンシャルが高く、現在さらに実績を積んでいるところ。投手陣の充実が特筆すべきところだと思うが、打線もポテンシャルが開花すれば、今後も優勝争いできると思う。
 日本ハムは、近藤がソフトバンクへ移籍したことや、昨年からの戦力上、多くのプロ野球解説者などからも最下位を予想する人が多かったはず。その中で、ポテンシャルの高さを買って、俺自身は3位と予想していた。シーズン開幕当初は、やはり最下位か?と思ったが、現在は4位につけている。
 投手陣では上沢、加藤貴之、鈴木、伊藤、北山など、ローテを担う選手も出てきて、抑えにはソフトバンクから移籍の田中正義が担い、活躍している。長らく故障で苦しんだ右腕が、日本ハムへ移籍後、実を結び始めている。
 打線は日替わり打線だが、万波が13本塁打を記録し、攻守においても持ち前の身体能力を生かし、いよいよ才能開花か。万波の他にポテンシャルの高い選手は多く、野村や清宮、「逆輸入選手」の加藤豪将や、阪神からトレードでやってきた江越の復活、楽しみな選手が多く、台風の目になる可能性も。

・このまま低迷してしまうのか、楽天、西武

 現在楽天が5位、西武が最下位、このまま低迷してしまうのか。
 5位の楽天は、投打ともいまいち。先発ローテでは田中将大、岸、則本などのベテランに、若い早川が担っているが、早川が4勝の一方、ベテラン投手は3勝もしくは2勝にとどまっている。ベテラン投手が多いだけに、若い投手の台頭が待たれる。抑えの松井裕樹は安定しているので、松井裕樹まで繋げば。
 打線においても、浅村が11本塁打を放っているものの、一昨年の打点王の島内の不振に加え、新外国人のフランコも失速。阪神は外国人野手のハズレが多いが、楽天も近年、外国人野手のハズレが多い。涌井とのトレードで加入した阿部も不振。打撃陣も不振の選手が多い。
 西武に関しては打線。投手に関しては、リリーフから先発に転向した平良が5勝を挙げていて、先発転向が今のところ成功。橋光成や今井などの先発投手陣、リリーフもそんなに悪くはないが、まぁ、打線は厳しいね。
 打線が活発だった頃の「山賊打線」の一角だった森友哉がFAでオリックスへ移籍。さらに山川が強制性交容疑で書類送検、復帰の目処は立っていない。外崎が孤軍奮闘しているが、さすがに松井監督もしんどいと思う。それを何とかするのが監督の仕事かも知れないが、誰がやっても厳しいと思う。

【まとめ】

 交流戦前まで好調だった阪神が、交流戦で調子を落とし、DeNAや巨人が少しずつ追い上げているセ・リーグ、交流戦が終わってリーグ戦の再開だが、阪神とDeNAがいきなり直接対決する。去年は珍しく横浜スタジアムで殆ど勝てなかった阪神、今年も横浜スタジアムで勝っていない。この週末の3連戦が今後を左右するかも。
 パ・リーグはしばらく、オリックス、ソフトバンク、ロッテの3チームが上位争いをしそう。当面は混戦になりそう。3位ロッテと4位日本ハムとのゲーム差が6で少し開いているが、4位以下のチームのどこかが、Aクラス争いする可能性もある。
 セ、パ共に、オールスターゲーム以降に、さらなる山場はやってくると思う。長いシーズン、ずっと安定して戦うということは難しい。秋にはどんな結末が待っているか、プロ野球も楽しみ。

鹿島、逆転優勝に黄信号点灯中

 J1リーグの後半戦が始まり、鹿島は第18節のアウェイG大阪戦で1対2で敗れ、現在暫定7位となっている。非常に痛い敗戦を喫した鹿島、逆転優勝に黄信号がすでに点灯中。
 さて、後半戦がスタートしたわけだが、もちろん数字的には逆転優勝の可能性は残してはいる。ここで、1ステージ制になった2005年以降の優勝チームの勝敗と勝点、3位までの勝点をまとめてみた。鹿島が実際に、ここから優勝争いへ持っていけるかを占ってみることにする。

2005年以降の優勝チームの成績
2005年以降の優勝チームの成績
※2015年と2016年は2ステージ制のため除外
※2021年は20クラブ構成のため、38試合制

・単純計算では、優勝ラインは勝点70くらい

 暫定首位の横浜FMの前半戦は、11勝3分3敗の勝点36。第18節も勝利し、勝点を39に伸ばしている。暫定2位の神戸は1試合未消化だが、ちょうど17試合を終えて、マリノスと同様11勝3分3敗の勝点36。暫定3位の名古屋は、第17節を終えた段階で10勝5分2敗の勝点35。第18節は敗れ、勝点35のままとなっている。
 単純に、上位3チームが後半戦も同じ勝敗で推移すると仮定すると、マリノスと神戸の勝点は72、名古屋は同70になる。上位3チームが図抜けていたシーズンは、2011年を思い出す。優勝は柏だが、3位までが勝点70に到達している。単純計算では、今年の優勝ラインは勝点70くらいと予想できる。

・鹿島は14勝は必要

 鹿島は前半戦を終えた段階で、8勝4分5敗の勝点28。仮に、後半戦も同じ勝敗で推移しても、勝点は56にどどまり、優勝できるような勝点ではない。
 鹿島が勝点70に到達するためには、後半戦は14勝が必要で、14勝3敗で推移したとしたら、一応勝点は70に到達する。第18節はG大阪に敗れているので、今後は14勝2敗でいかないと、勝点70に届かない。
 2007年は開幕ダッシュに失敗し、第6節で初勝利を挙げてから、オリヴェイラ監督の原則メンバー固定による戦術浸透によって、順位をじわりと上げてきた。そして、第19節から最終節まで14勝2敗、シーズン終盤の破竹の9連勝や、浦和の失速もあって、大逆転で優勝を決めたことがあった。鹿島に復帰した小笠原満男が、第19節から出場してから、チームが活性化された。
 じゃぁ、今季の鹿島、2007年と同じように14勝2敗は可能か?となると、これはかなり厳しい。2007年は確かに逆転優勝だったが、最終節前まで一度の首位に立つことはなく、ずっと他力本願。小笠原の復帰で一気に加速して、大逆転優勝したが、今年は、新潟戦から4-4-2にしてからチームの手応えを感じてきたものの、一気に加速できる材料があればいいのだが。柴崎鹿島復帰?とか・・・。

【まとめ】

 今年の優勝ラインは勝点70くらいと予想できるが、上位を倒して、混戦に持ち込みたい。そうすれば、優勝ラインの勝点は65前後になる可能性もある。
 まぁ、こうやって優勝ラインを振り返ってみると、近年は川崎の勝点が図抜けていて、他のシーズンは混戦のシーズンが多い。でも、とにかく、鹿島が優勝争いに加わってくるためには、14勝2敗に近いペースでいかないと難しい。まずは一戦必勝、それだけ。


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